本田圭佑が所属するCSKAモスクワは「世界で一番脱出が難しいクラブ」:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(2/4 ページ)
今夏のACミランへの移籍が破談となった本田圭佑。2014年1月には4年契約でACミランに行くとみられていたのだが、どうやらこれも怪しくなってきたようだ。
UEFAチャンピオンズリーグはチームをまたがって出場できない
ミランは本田の今夏獲得が難しいと見るや、レアル・マドリード(スペイン)からブラジル代表MF、カカを獲得して戦力を整えた。だが、そのカカが9月14日のトリノ戦で左内転筋を痛めて約1カ月の戦線離脱を強いられるなど、現在のミランは中盤だけでなく前線や守備陣、あらゆるところで故障者が続出する憂き目にあっている。
とはいえ、キーマンのカカが復帰するであろう10月半ばには「チームもそれなりの形になって安定し、ミラン本来の姿に戻るはず」というのがイタリアメディアの一致した見方だ。今冬にミランのチーム状態が好調モードになれば、本田は加入したとしてもポジションがなくサポート的な役回りにされ、ベンチ要員となることもあり得る。いや、各メディアで「合意した」と報じられた2014年1月からの4年契約もミランは「状況が変わった」として破棄を申し出てくるかもしれない。
一方、CSKAでの本田は、9月17日から始まった欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場メンバーに登録されるなどチーム内での立場が保障されている。本田側は自分が置かれた状況を冷静に見つめ直してミラン移籍をあきらめ、レギュラーが確保されているCSKAに残留することを視野に入れ出すに違いない――。それがCSKAの思い描く「逆転のシナリオ」なのだという。
何もCSKAの思惑に乗っかる必要はないが、確かに本田にとって今冬のミラン移籍はリスクが大きい。同一シーズンに2つのチームでCLにできないルールがあるため、CSKAでCLに出場した本田はミラン移籍後の欧州カップ戦線を棒に振ることになる。2014年夏のブラジルW杯を目前にして実戦の場が減少するのは、かなりのマイナスだ。
しかも有識者たちの間からは「チームの強豪度を示すUEFA(欧州サッカー連盟)のクラブランキングでもCSKAが18位であるのに対し、ミランは12位で爆発的なジャンプアップではない。本田が望む『ビッグクラブ移籍』にはならないのではないか」という指摘まで出ている。
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