台湾で「なめこ列車」が走っていた――日本でもどう?:杉山淳一の時事日想(2/4 ページ)
人気キャラクターでローカル鉄道を活性化する。それは日本だけではなかった。台湾のローカル線でも観光キャンペーンでキャラクターとのタイアップが行われており、なんと今年は日本のゲームキャラクター「なめこ」が採用された。その経緯と効果を聞いた。
人気キャラクター「なめこ」とは
ご存じの人も多いと思うが、「なめこ」は食材のなめこをモチーフとしたキャラクター。日本で根強いファンを持つキャラクターとして大人気だ。しかし、その出自は少々説明を要する。もともとは2006年に発売されたニンテンドーDS向けゲームソフト『おさわり探偵 小沢里奈』のサブキャラクターだった。『おさわり探偵 小沢里奈』は日本のゲームソフト開発会社、サクセスとビーワークスが制作した。続編が2007年に発売され、現在第3作の製作が進んでいるという。
『おさわり探偵 小沢里奈』で、主人公の探偵の助手が「なめこ」だ。キノコの姿と「んふんふ」としか発しない様子がかわいいと評判となり、里奈となめこは熱心なファンの支持を得る。さらに2011年にはゲームのスピンアウト作品として、スマートフォン用に無料アプリ『おさわり探偵 なめこ栽培キット』が登場する。『おさわり探偵 なめこ栽培キット』はスマートフォンの普及にリンクしてユーザーを獲得。現在はぬいぐるみなどさまざまな公式グッズも登場し、「なめこ」キャラクターは独立した人気キャラクターとなった。
台湾鉄路管理局「集集線」とは
「集集線」は台中付近で運行されているローカル線だ。台北と台南・高雄を結ぶ縦貫線の支線で、縦貫線の二水駅と山岳部の車テイ(土ヘンに呈)駅を結ぶ。路線長は29.7キロメートル。所要時間は70分。もともとは水力発電建設用として、日本統治時代に作られた路線とのこと。沿線に台湾で最も大きな湖「日月潭」があり、観光客でにぎわっているという。
集集線は日本の在来線と同じ線路規格であり、車両も日本車輛製造製であることから、日本の鉄道ファンからも注目されている。1999年9月の台湾大地震で被災し運休したものの、2002年に営業再開、2011年に全線が復旧した。
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