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南場智子さんが語る、マッキンゼーの経験が役に立たなかった理由『不格好経営』の著者が伝えたいこと(前編)(2/4 ページ)

社長を退任してから2年――。DeNAの創業者・南場智子さんが現場に復帰した。会社を離れていてどんなことを感じていたのだろうか。講演会で語った、南場さんの“今”をまとめた。

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マッキンゼーでの経験は役に立っていない

――著書『不格好経営』の中に、「マッキンゼーでの経験は役に立っていない」といったことが書かれていました。この点について教えていただけますか?

南場:マッキンゼーで働いていたときの私と、今の私は“別人”なんですよ。マッキンゼーを辞めたあとに、学んだことはたくさんあります。しかも自分の経験や失敗から学んできました。なにが一番違うかというと、アドバイザーとリーダーという立場ですね。アドバイザーというのはどんなときでも当事者ではないので、冷静に客観的にアドバイスができる。

 一方のリーダーは、客観的に物事を見ることができません。ものすごい重責の中で、正しい意思決定をしていかなければいけません。それができないと、ボクサーがリングに立てないようなもの。起業して間もないころ、私はリングに立てない状態でした。当事者になってみるとものすごく怖かったですし、ひとつひとつの出来事に対して、足が震えていたんですよ。

 それまでの私はクライアントに偉そなことを言ってきました。「こうするべき」「ああするべき」といった感じで。アドバイザーとリーダーというのは、立っている土俵が違うんですよね。なので、マッキンゼーで学んだことを、いま生かすことができないんですよ。

――かつてのボス・大前研一さんはこう言っています。「経営コンサルタントが役に立たなかったというのは間違い。かつての経験がベースにあって、いまの経営があるんだ」と。

南場:ハハハ。

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