プロのポーカープレイヤーって何? 優勝賞金5000万円を手にした男に聞く:世界王者・木原直哉氏の生き方(4/6 ページ)
2012年の世界大会で優勝賞金5000万円を獲得した、プロ・ポーカープレイヤーの木原直哉氏。東大卒のキャリアでポーカーを生業とする道を選んだ木原氏は、どのような思いでポーカーと向き合っているのだろうか。
確率は感覚的に分かる
――頭脳ゲームが得意ということですが、勝負で勝つコツはあるのでしょうか。
木原:とにかくプレイの数をこなすことですね。あと、自分は運の要素が絡んで確率を使うゲームが得意と言いましたが、昔から確率が“感覚的に”分かるんです。
――“感覚的とは、どういうことですか。
木原:例えば、勝率75%の場面は、当然25%の確率で負けますよね。ここで、25%負けることを心から納得できる人と、勝率75%で負けるなんてあり得ない、ふざけるなと思う人の2パターンがあります。自分はこの75%という数字を体感的に納得できるんです。
――負けたときも仕方がないという、割り切りができるということですか。
木原:違いますね。例えば、勝率85%のカードが配られた場合、多くの人は「勝った」と思い込みがち。そういう人は、ゲーム進行中に変化し続ける勝率に気付かず、正しい判断ができなくなります。勝率は“しょせん”勝率なんですよ。
元々確率が好きで、得意なんです。センター試験の問題が新聞に掲載されますよね。確率の問題は、なぜか小学生のときから解けてました。ざっくりこれくらいの確率になるだろうと予想して、実際に計算すると大体合ってるんですよ。何がどれくらいの確率で起こるのか、計算しなくても感覚で分かる。
――なるほど。「絶対音感」の数学版みたいなものですかね。
木原:それに近いかもしれません。実際計算して自分の予想とズレてると、感覚と合わないなと違和感があります。また、そろばんも得意で、数字を絵のように覚えていて、計算が速かったですね。その代わり、記憶系の科目はすごく苦手で、歴史の年号などはなかなか覚えられません。今でも、人の名前がなかなか出てきません。
――確率が得意だから、ポーカーも強い。ということはポーカーに強い人は、確率も得意?
木原:好影響はありますが、全てのプレイヤーがそうではないです。数字や確率はダメでも、情報処理能力に突出しているプレイヤーもいます。最終的に正しい判断ができれば、アプローチ方法は何でもいいんです。
――木原さんの武器は「数字」と「確率」というわけですね。
木原:はい。
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