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インタビュー

日本企業の広告が、世界で評価されない理由仕事をしたら“広告のツボ”が見えてきた(後編)(2/5 ページ)

世界最大級の広告祭「カンヌライオンズ2013」のグランプリ受賞作をみると、ほとんどが欧米企業だった。なぜ日本企業の広告は評価されなかったのか。元『広告批評』編集長の河尻亨一さんに聞いた。

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土肥:うーん。広告業界で「ソーシャルグッド」が主流になっているのに、日本は欧米と文化が違うから……というのは苦しい言い訳になってきますよね。グローバル競争がますます激しくなると言われているのに、このままでは欧米のスタンダードとは違う方向に、日本企業は進んでいきそうですね。

河尻:日本企業の未来に夢も希望もない、というわけではありません。すべての企業がグローバル展開する必要はありませんし。大切なことは、想像以上のスピードで変化する人々の行動やマインドに企業がどう対応できるのか? ということ。

 前編で紹介しましたが、今年のカンヌでオーストラリアのメルボルン鉄道が出品した「DUMB WAYS TO DIE」というミュージックビデオが5冠を受賞しました。ひと昔であれば、真面目に“鉄道事故には気をつけましょう”といった感じのキャンペーンをしていたはず。しかし作品の中では、ゆるキャラがバカバカしい死に方をしていく。この映像が大ヒットして、パロディ映像もどんどんアップされ、実際に事故も減ったと聞いています。いまは、そういう時代なんですよね。

 「快適にしてくれる」コンテンツは、日本にはたくさんあるんですよ。例えば、Web上ではネコが人気ですよね。ゆるーい感じの写真やイラストがたくさんアップされています。また、ゆるキャラは全国的に広がっています。このほかにもアニメでゆるーいモノはたくさんあります。このゆるーいモノに関与したくなる仕掛けをつくっていけば、まだまだチャンスが広がるのではないでしょうか。

土肥:確かに。ここ数年、ゆるーいキャラがたくさん増えてきていますね。

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