新・モーレツ社員が「ぶら下がる」時、上司はどうするべきなのか?:就活・転職のフシギ発見!(3/3 ページ)
イマドキの若手社員には、会社を辞めないが頑張らない「新・ぶら下がり社員」と、「人生=仕事」という「新・モーレツ社員」が増えています。なぜそうなるのか、そしてぶら下がる社員に出会ったら周囲はどう対応すべきなのでしょうか?
「ぶら下がる」社員に周囲はどう接すればいい?
それでは、そういう部下や後輩を持った人は、どう接すればいいのでしょうか。ケースバイケースなので、これという正解はないとは思いますが、少し考えてみました。
ポイントは2つあります。まずは「話を聞く」こと。新・モーレツ社員を志向していたのに、結果的に「新・ぶら下がり社員になってしまった」人は、変わってしまったキッカケがあるはずです。そこから解きほぐすしかない。世の中はそんなものだという、訳知り顔で価値観を押し付けて、変わらせようとしても無駄だと思うのです。
そもそも「こういうことがしたい」「こういう風に頑張りたい」と、自分の仕事に対する考え方がハッキリしている人ほど、結果的に「そうできないこと」へ失望し、新・ぶら下がり社員になってしまうケースが多いと思います。掛け違えたボタンは「最初からやり直す」のがベスト。それと同じように原点に立ち戻って、もう一度やり直してあげるのが、約束をホゴにした企業の努め(まあ、それを上司や先輩が背負うというのも違うような気がしますが)だとしておくのが、話としてはスムーズです。
その上で「仕事を評価する」ことだと思います。新・ぶら下がり社員になってしまう人の多くは「自分にしかできないこと」や「自分だからできる仕事」にこだわりを持っています。それは、就活時点での「働くことの意味を問いすぎる」状態から醸成されたものである可能性は高いのですが、結果として現状、「自分がやりたいこと」に強くこだわりをもっているのです。だとしたら、日々の仕事をきちんと見て、丁寧に評価するしかない。この仕事は「あなただからできる仕事だ」と、ちゃんと見てあげることによって、企業にとって「自分が」必要とされている、という実感が湧くのです。
個人的な動機を源泉にして入社させた先に、組織が向かうべき方向へと意識を揃えさせるという行為は、マネジメントとしては極めて一般的です。効率もコストパフォーマンスもいい。ただ、そのひずみから「新しいぶら下がり方をする従業員」が生まれ、それが組織にとって問題なら、手間をかけてでも解決すべきでしょう。個人ではままならないことまで、当事者に解決させるのはもう止めにしませんかと、私はここでコッソリとつぶやいておきます。
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