インタビュー
出版不況が続くのに、編集者が生き残るワケ:これからの働き方、新時代のリーダー(中編)(4/4 ページ)
「自分の仕事は、今後も大丈夫かなあ」と不安に感じている人も多いのでは。作家のエージェント集団「コルク」の佐渡島社長は「10年後でも編集者は食うに困らない」という。「出版不況」が叫ばれているのに、なぜ編集者は食っていけるのだろうか。
編集者が足りない時代
土肥:世界に出るときにもそれぞれの国の事情を見て、出す順番を考えないと、成功することは難しいということですね。そう考えると、すべての仕事は「出す順番」というのが大切になってきます。
佐渡島:ですね。先ほども申し上げましたが、これからの時代、企業には「編集者」が必要になってくると思っています。
土肥:でも編集なんて、学校では習いません。どこで習うかというと、多くの人は会社に入ってから。しかもそれを学ぶことができるのは、マスコミに就職した編集者だけ。
佐渡島さんが指摘されたように「編集者が必要とされる時代」がやってきても、「そんな人材どこにいるんだ!?」という問題が出てきそうですね。
佐渡島:そうなるでしょうね。現在、編集の仕事をしているのは数千人。ただ、編集者サイドに立って考えると、数千人しかいないので、5年後、10年後でも食うに困らない職業になると思いますね。
(つづく)
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