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どんな“つながり”を求めていますか? ソーシャル時代の3つの欲求:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(4/4 ページ)
ネットのおかげでどこにでもすぐに行った気になれますし、知らないことは検索すればすぐに分かるし、ソーシャルメディアを使えば誰とでもすぐにつながれる世の中になりました。でも、そんな世の中になったからこそ、生まれてくる欲求もあるようで……。
ネットでできないこと、ネットだからできること
- 地元(=心の置きどころ)を求める気持ち
- 師匠(=暗黙知や潜在意識での気づきの促進)を見つけたいという気持ち
- 身内(=安心できて、気の置けない身近な存在)でつるみたいという気持ち
どれも、ネットが普及し、どこでも行ける、何でも知れる、誰とでもつながれるようになったからこそ生まれた欲求だと思います。ネット接続環境常態化への生活者の反動とでもいえるでしょうか。地元も師匠も身内も、決して新しい概念ではありません。どちらかというと昔からあったものです。しかし、だからこそ、ネットが常態化した今、新しい価値として浮上してきていると思います。また、昔なら地元も師匠も身内も時間をかけてつくったり、見つけたり、生み出したものでしたが、ネットを使えばそれこそ、すぐに手に入れることができることも、余計にこうした古くて新しいものを求める気持ちをあおっているのかもしれません。
なんでもできるようになった(気がしている)生活者は、次にどんな古くて新しい願望を持つのでしょうか。そして、あなたはどんな縁を求めて行動していきますか? 人と会う機会が増える年末のこれから、新しい年に向けて考え始めてもいいのかもしれません。
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