就活生がこの時期にやるべき、たった2つのこと:サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(2/2 ページ)
12月1日、就職活動が解禁になりました。リクナビやマイナビといった就活サイトがオープンし、焦っている学生もいるでしょう。でも、焦っても仕方がありません。就活生がまずすべきこととは……?
企業の動きに注目してみると、就活は面白くなる
自分の足下の情報収集ができたなら、次に、企業の動きに注目しましょう。以前、このコラムでも「合同で採用を始めている企業がある」とか「新卒採用にこだわることなく採用をしている企業も多い」と紹介したことがあります。かつてのように、ナビサイトに掲載する、会社説明会をする、エントリーシートを提出させる、面接に何度も呼ぶ、という誰もがイメージする「シューカツ」スタイルでの採用をしている、という企業ばかりではないのです。
例えば、新潟にある三幸製菓株式会社は「おせんべい採用」「遠距離採用」「新潟採用」「出前採用」「ガリ勉採用」なる、5つの採用の仕組みを用意しています(参照リンク)。おせんべいについての愛を語ってください、遠距離の人なら最終面接以外はネットで済ませましょう、新潟が好きな人を採用しますよ、日本のどこへでも採用担当者が面接に出向きます、とにかく学生時代は勉強しましたという人を採りたいですと、多様なアセスメント軸と選考スタイルをラインナップしているのです。
一方で、ニコニコ動画などでおなじみのドワンゴグループでは、新卒採用のエントリーを希望する人に対して、小額とはいえ「受験料を支払ってもらう」制度を導入しました(参照リンク)。受験料(とはいえ、全額寄付するので、企業に利益になるということではないようです)を支払うことによって、本当に受けたい人以外はエントリーしないでほしいというメッセージだと、サイトでも明らかにしています。これも、画一化された採用の仕組みに、一石を投じることになるでしょう。
このように企業の採用担当者たちが新しい採用の取り組みを始めた背景には、一つの選考方法では限界が来ているという事情があります。世の中の価値観が多様化したのだから、企業の採用方法も多様化しなければならない。そう考えているはずです。逆に言うと、こういう動きが顕著になってきた時期に就活をスタートさせる、いまの就活生はラッキーだったかもしれません。こういう企業は、ほかにもたくさんあるはず。まずは、自分の興味のある仕事や企業を探して、よく調べてみると良いでしょう。「就活など、そんなものだよ」と訳知り顔でうそぶく台詞がすべてではないことが分かるはずです。
私は以前このコラムで「新卒一括採用は限界か?」と書いたことがあります(参照記事)。コストパフォーマンスの観点から、この仕組みが即、終焉を迎えるということはないでしょう。けれども、多様化はさらに進むはずです。
就活生の皆さんは、ナビサイト、リクルートスーツ、合同説明会という、画一化された側面だけで就活を非難する情報に、まどわされないでほしいのです。その多くは批判的な論調ですが、残念なことにそれに同調していても、内定を得ることはできませんから。まずは今回の記事に書いた内容から、就職活動の第一歩を踏み出してみてください。
このコラムや私のブログ(参照リンク)でも、就職活動に関する情報を随時提供していきます。また、これまで就活生には馴染みのなかったであろう「Business Media 誠」にも、これを機会に、ぜひ目を通してください。意外に(?)役立つ情報が満載ですよ。
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