「インフラ友達」がいますか? おひとりさま時代を生き抜くための友人関係:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(3/4 ページ)
TwitterやFacebookなどを利用している人は、友達の数が急拡大しているのではないでしょうか。そんな時代だからこそ、「誰を友として生きるのか」は重要な問題。今回は、おひとりさま時代を生き抜くための友人関係について紹介します。
エマフレ、シェル友、怒友〜例えばこんな「インフラ友達」
では、どんな機能を果たすのが「インフラ友達」なのでしょうか。生活総研が開発した「インフラ友達」のアイデアからいくつか例をあげてみます。
例えば「エマフレ」(エマージェンシー・フレンドの略です)。「旅行の際など、書類の『緊急連絡先』欄に名前を書くことを快く引き受けてくれる友達」です。これまでなら親や妻、子供の名前を書いていた「緊急連絡先」ですが、ひとり暮らしが長くなるとそうもいきません。そんな少し困った時、快く引き受けてくれる友達も、生活の土台を機能で支えるという意味で「インフラ友達」であると考えます。
次に「シェル友」。「夫婦ケンカや親子ケンカなどで家出したときに、駆け込み寺になってくれるシェルター(避難所)のような友達」です。こんな友達、これまでもいたと思います。ですが、友達の果たしてくれている機能(=シェルター)に自覚的になることが、その友人との関係をより密接にすると考え、「インフラ友達」の1つとしました。このように日常生活のいざという時のリスクヘッジとして機能するのが、「インフラ友達」の特徴の1つです。
そして「怒友(おこっとも)」。「激しい口論になっても、最後は自分の中に『気付き』をもたらしてくれる友達」です。リスクヘッジという機能と同時に、ある思いこみやこだわりから自分を解放してくれるような、お節介なんだけれども、やる気をかき立ててくれる機能も、「インフラ友達」の特徴のひとつと考え、アイデアのひとつに加えました。
以上、リスクヘッジからお節介なチアアップまで、日常の多種多様な細かな機能を果たすのが「インフラ友達」であり、生活者は自分の必要な機能を友達通じて確保し、自分の生活の土台(=インフラ)を整備するというわけです。
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