倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由:伊吹太歩の時事日想(1/4 ページ)
LEGOといえばブロック玩具の代名詞。子供のころに遊んだ読者も多いことだろう。だが、同社がほんの数年前に倒産目前まで追い込まれていたことは知られていない。そして、近年復活した理由も……。
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
少し前に取材のために米国で滞在していたときのことだ。その日は予定がなく、滞在していた友人宅でぼけっと過ごしていた。
友人の家には小学生の息子がいた。彼は午後に学校から戻ってくると、テキパキと宿題を終わらせ、すぐにテレビゲームを始める。時間を持て余していた筆者は、彼が遊ぶゲームを眺めていた。
テレビゲームでも人気のLEGO
彼がハマっていたゲームは、デンマークに本社を置くLEGOのテレビゲーム『レゴ・マーベル・スーパー・ヒーローズ』だった。LEGOといえばブロックを組み立てるおもちゃというくらいの認識しかなかった筆者は、LEGOにもデジタル化の波が来ているのかと妙に感心したのを覚えている。そんなふうに久しぶりにLEGOの存在を思い出したのだった。
そして最近、LEGOに関するニュースを目にした。ブロック玩具メーカーの枠を越えた企業として、さまざまな商品を世に送り出すことで同社の業績はかなり順調だという。2013年上半期、LEGOの売り上げは13%増の20億ドル(約2000億円)近くに達する。そして世界第3位の玩具メーカーから第2位に躍り出て、他の玩具メーカーよりも好調の勢いに乗っている。
そこで少し調べてみると、LEGOはもはやブロックを組み立てるだけのおもちゃではないことが分かる。遊びの範疇(はんちゅう)を越えて、多方面に広がっているのだ。テレビゲームだけをみても、その売れ行きは世界で1億本を超える。LEGOのWebサイトには月間2000万のアクセスがある。
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