2000円でTwitterのフォロワー1000人売ります:伊吹太歩の時事日想(1/2 ページ)
IPOに成功し約2000億円を調達したTwitter社。総利用者数は2億アカウントを超えるというが、数多くの偽アカウントに頭を悩ませている。その背景には少なくとも40億円規模という偽アカウントの売買ビジネス市場が存在する。
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
世界中でかなり普及しているマイクロブログのTwitter。もはや「マイクロブログ」なんて説明すらいらないほどの認知度だろう。少し前にはアルバイト店員の悪ふざけツイートでお店が潰れたなんて騒ぎが起きていたが、そんな騒動は何も日本に限ったことではない。
つい先日も米国の大手リフォーム用品店The Home Depot(ホームデポ)の関係者が、アメリカンフットボールの試合会場で悪ふざけをして話題になった。会場の駐車場に設置されたPRブースで黒人2人の間に猿のきぐるみを着た人を座らせて写真を撮影したのだ。
アップした写真に「この中でほかの2人と違うのは誰でしょう?」と黒人をバカにするようなコメントを添えたため、瞬く間に炎上する事態になった。ホームデポはすぐに公式アカウントで「あり得ない行為で、深く謝罪する。この関連会社と個人を解雇した」とツイートした。
Twitterの総ユーザー数は2億人というものの……
とまあ、こんな話題には事欠かないTwitter。そのTwitterが2013年11月7日、新規株式公開(IPO)を行い、調達額は20億ドル(約2000億円)を越えた。そして改めてTwitterというマイクロブログそのものに注目が高まった。
まずはその総利用者数だ。Twitterは2億人と主張しているが、実際のところ、かなりの偽アカウントが混じっているようだ。いくつかの欧米メディアによれば、その数は2000万人分にも達するという。
また、いわゆる活発なユーザーはどれほどいるのかという議論もされている。同社の広報であるジム・プロッサーは、Twitter全体の40%は他のツイートをたまに見るためだけの「消極的」なアカウントの可能性があると発言している。
しかも最近、米国のティーンの間では、すでにTwitterは「ダサい」「優等生的」という声が上がっている。そう考えると、将来的にTwitterもそのあり方を変える必要性に迫られるかもしれない。
ただ何と言われようが、その手軽さと、フォロワーが増えれば広く発言を周知できることから、一般個人だけでなくさまざまな人たちが広くTwitterを利用していくことは間違いなさそうだ。民間企業やエンターテイナー、メディアなども、現時点ではTwitterを使わない選択肢は考えられない。
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