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倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由:伊吹太歩の時事日想(3/4 ページ)
LEGOといえばブロック玩具の代名詞。子供のころに遊んだ読者も多いことだろう。だが、同社がほんの数年前に倒産目前まで追い込まれていたことは知られていない。そして、近年復活した理由も……。
宇宙飛行士の選抜試験にも使われたマインドストーム
もちろん、大人が買っても楽しめる。米国では、大人もこぞってこのマインドストームを買っているようだ。
マインドストームは、開発過程も興味深い。2006年に発売されたロボット教材は、その制作過程を可視化し、熟練のLEGOファンの集団を改良の作業に参加させた。しかもその作業が進むにつれ、LEGOファン集団の数を増やし、最終段階では、100人ほどのファンを参加させて最終的な修正や変更をさせた。熱烈ファンが参加するみんなで取り組む商品開発だ。
その甲斐あってか、LEGOの教育プログラムは学校などの教育を超えて、企業の研修現場でも広く使われている。日本でも導入している企業は230社を超え、マインドストームを使ったロボコンに参加する企業も多い(参照記事)。LEGOによれば、「(マインドストームで)論理的な思考力や、創造的な課題解決力、プロジェクトマネジメントスキル、日本人が苦手とする表現力やプレゼンテーション力を培うことができます」。
しかもこの教育プログラムは、宇宙飛行士を選ぶ試験にも使われている。2009年に行われた宇宙飛行士の候補者選抜試験にマインドストームが採用された。グループごとにいくつもの課題や難題を克服しながら最終的にロボットを完成させるというテストだ。この過程を見ることで、チームワークやリーダーシップ、さらに不測の事態が発生した際の対応力などを判断できるという。
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