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「劇場型詐欺」でカモられるのはどんな人?窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

「劇場型詐欺」の被害に遭う人が後を絶たない。架空の未公開株などに投資させる際、だます相手を信用させるために複数の人間がかかわっているのが特徴だ。そんな詐欺の手口にどんな人がカモられているのだろうか。

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ようやく目覚めた

 外交だ。カネがあって、疑うことを知らない高齢者のような国を見ると、みんなでよってたかって劇場型でカネをたかる。

 例えば、先月のCOP19(第19回 気候変動枠組条約締約国会議)なんかは分かりやすい。日本から参加した石原伸晃環境相が「2005年度比3.8%削減」というまずまずの目標を掲げたら、中国をはじめとする参加国から「反省しろ」と袋だたきにあった。

 日本のくせに生意気だぞ、宇宙船「地球号」の乗組員として、お前らは恥ずかしくないのか――と。

 地球温暖化で海面が上がるという例のアレ自体がどうなのよと言われているなかで、CO2をチャラにするカーボンオフセットといい、不平等感が強い「削減目標」といい、この手の話は人のいい先進国からカネをぶんどる詐欺的な側面も強い。

 てっきり今回もいいカモになるのかと思っていたら、ワーワー騒ぐ記者たちに、石原環境相がこんなことを言ったという。

 「相手をおとしめたり、弱いところをたたいたりするのは外交戦略上必ずある。しっかりと説明するのが最大の仕事だ」

 間違ったことはなにも言っていないが、日本といえば、「黙ってカモられてろ」というのが長く国際社会の常識だった。

 劇場型詐欺メンバーからの厳しい反発が予想される。

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