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「劇場型詐欺」でカモられるのはどんな人?:窪田順生の時事日想(2/3 ページ)
「劇場型詐欺」の被害に遭う人が後を絶たない。架空の未公開株などに投資させる際、だます相手を信用させるために複数の人間がかかわっているのが特徴だ。そんな詐欺の手口にどんな人がカモられているのだろうか。
「劇場型詐欺」の手口
そんな“分業型詐欺”を最近、国民生活センターは「劇場型詐欺」とか「買え買え詐欺」と名付けた。
その手口はいたってシンプルである。高齢者のもとへ突然、株や社債などの金融商品、あるいはダイヤモンドの原石などを紹介したパンフレットが送りつけられる。
なんでこんなモノが? と首をかしげていると、いきなり見知らぬ人間からこんな電話がくるのだ。
「あなたのところに来ているモノは、限れた人にしか案内していません。私もぜひ購入したいので、代わりに買ってくれないでしょうか。もちろん、タダとは申しません。手数料もお支払いしますので」
似たような電話がバンバン続くうち、これがかなり貴重な商品案内だということが分かる。右から左へ流すだけで手数料がもらえるとはこんなおいしい話はない。さっそく購入を申し込み、代金を振り込んだ後、殺到していた購入希望者らに連絡をしてみると、こんなアナウンスが流れる。
「お客さまのかけた番号は現在使われておりません」――。
周囲がすべてグルになって、荒唐無稽なシナリオに現実味をもたせる。で、カモがのってきた途端にハシゴを外してドロン。不動産や金融ビジネスの世界でもわりとよく聞く話だが、実はこのスキームがもっともよく使われる場がある。
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