湿布薬でグッドデザイン賞?――久光製薬(2/2 ページ)
貼り薬は苦手と思っていたのだが、久しぶりに使ってみたら格段に貼りやすくなっていて驚いた……そんな話をしていたら、久光製薬が湿布薬でグッドデザイン賞を取ったと聞き、ちょっと興味がわいて調べてみたのだ。
湿布薬の課題は?
湿布薬「のびのびサロンシップ」「フェイタスシップ」の受賞理由も見てみよう。
湿布薬のユーザー実態調査を行ったところ、不満点のトップは「湿布がはがれやすい」だったという。はがれやすさの要因を調べたところ、衣服と湿布のこすれが大きく関係していることが分かった。そこでできるだけ、衣服とこすれないように湿布の角を丸くしたのが「丸かど」。丸かどの湿布薬とそうでないものを比べたところ、従来品よりよく付いている人が34%増えたという。
もう1つの湿布薬の課題が、「フィルムをはがした際、クシャクシャになってしまう」だったという。湿布は柔らかいので、端からフィルムをはがす際にどうしてもクシャクシャになってしまう。そこで久光製薬では、フィルムを端からはがすのではなく、中央にミシン目を入れて、両サイドに引っ張るだけでフィルムがはがれる形状「バリピタシート」を開発。これによって、フィルムを簡単にはがせて、そのまま患部に貼れるようにしたのだ。
お客さんの数だけ開発の可能性がある
久光製薬では今回のグッドデザイン賞受賞に対して、「貼り薬は若い方から高齢の方まで幅広いお客様にご使用頂いている商品です。言いかえれば、当社の商品を使用するお客様の状況、状態も、千差万別ということ。そのため、開発のプロセスにおいては、白内障を再現するゴーグルや、手の自由が利きにくくなる手袋などを使用し、あらゆるお客様視点で商品が使いやすいかを検討しております」とコメントしている。
プレスリリースを見たときには「湿布薬でグッドデザイン賞?」と不思議に思ったのだが、貼り薬が苦手だった私にもモーラステープが貼れた……というのはまさに「お客様視点」。デザインのよしあしというのは、実はとても身近なところに影響するのだなぁ、と改めて思ったニュースだった。
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