ちょっと変わった日本人と付き合う――そのメリットは? 宋文州さんに聞く:仕事をしたら“金言”を聞くことができた(2)(2/3 ページ)
5年後、10年後、日本企業の海外進出はますます加速しているだろう。そうした時代に対応するために、ビジネスパーソンはどのような準備をしておけばいいのだろうか。
全世界に通用する人はいない
土肥: 日本では「英語をペラペラしゃべることができる=グローバルな人材」といったイメージがあるのですが、これっておかしいと思いませんか?
宋: おかしいですよ。「グローバル」という言葉を使えば、“全世界に通じる”と錯覚している人も多いですよね。そもそもの前提として、“全世界に通用する人材”なんて存在しません。また「グローバル=米国」と感じている日本人も多いですが、米国に通じる人ってロシアでも通用するのでしょうか。通じませんよね。ではロシアで活躍できる人って、中東やアフリカでも通用するでしょうか。通用しませんよね。
繰り返しになりますが、全世界に通用する人なんていません。英語をペラペラしゃべることができるからって、その人のことを「グローバルな人」と呼ぶなんておかしいですよ。もちろん、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語……などすべての言語を話すことができてもグローバル人材になることはできません。
重要なことは英語が話せることではなく、外国人の輪の中に入っていくこと。地元の人の行動パターンやモノの考え方などを理解しなければ、会話は続きません。日本人でもいますよね。日本人同士でも会話ができない人が。異文化を学び、その環境の中でも適応できることが大切なんですよ。
外国人とちょっと変わった日本人
土肥: 5年後、10年後、日本企業の海外進出はますます加速するでしょう。そうした時代に対応するために、ビジネスパーソンはどんな準備をしておけばいいのでしょうか?
宋: 「自分は海外経験がないからダメだ」という日本人がいますが、そんなに不安になる必要はありません。日本の企業をみると、外国人労働者の比率が高まっていますよね。そうした環境があるんだから、自分からその外国人に近づいていけばいいんですよ。ちょっと勇気を振り絞るだけで、外国人とトモダチになれるかもしれません。
「外国人はどうせ母国に帰るんだから、トモダチにならなくてもいいや」とは絶対に思わないでください。彼ら・彼女らとトモダチになることで、たくさんのことを学べるはず。仕事に対する考え方、日本文化への対応の仕方などを聞くことで、「なるほど! そういう考え方もあるのか」と新たな“気付き”があるでしょう。
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