日本経済を救うには? 「歴史学習」と「シンクロニシティ」が必要:グローバルエリートから見た世界(2/4 ページ)
「アベノミクス」によって円安・株高になったが、肝心の成長戦略は尻すぼみ。従業員の給与は一部の大企業を中心にアップしたが、多くの人はそれほど上がっていない。そうした環境の中、私たちに必要なことは……。
日本人に足りないもの
細かなことをあえて省いていうと、要するに日本の潜在的なマネーパワーはすさまじいものなのである。しかもそのパワーは何のことはない、私たち「一般の個人」が握っているというわけだ。
だがこのことを私たちは知らない。そればかりか「アベノミクス、アベノミクスと騒いでも何も変わらないではないか」と愚痴を言い、マネーの使い惜しみばかりしているのである。
「私たち日本人に一体何が足りないのか」――こう考える時、答えはただ1つなのである。それは自分たちの将来についてはっきりと見通し、「だから安心して前に進んで行ける」と思えることなのである。
若者たちを含めて私たちが行うべきことは「歴史」「過去」を知ることなのだ。疑問に思ったこと、不思議に思ったことがあればWebではなくて、必ず「書籍」「本」にあたること。特にWindows 95が登場し、インターネット時代が本格化したタイミング以前の「歴史」についてはWeb上で満足な情報がない場合が多い。だからこそまず向かうべきは図書館であり、(ネット上も含めた)書店なのである。そこでは検索システムがあるので気になる言葉・概念を入力し、関連する本や論文を根こそぎ洗い出す。次にそうした本や論文に引用されている本・論文をさらに読み進めていく。
こうした「バックキャスティング」を繰り返していくと、私たちの頭の中で徐々に積み上がっていくものがある。それは「因果関係」や「歴史法則」の束のようなものであり、あるいは「思考の枠組み」とでも言うべきものである。極力多くの文献にあたり「歴史」「過去」を学ぶことで、私たちはこの「思考の枠組み」を頭の中で積み上げていく。
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