2014年はコレが流行る!? 5つのブームを予測した:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(1/5 ページ)
2014年がスタートしましたが、今年はどんなブームがやってくると思いますか? 生活総研の若手研究員からのヒアリングをもとに、5つのブームを予測してみました。
吉川昌孝のデータで読み解く日本人:
30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。
「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。
著者プロフィール:吉川昌孝
博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプランナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。
みなさん、あけましておめでとうございます。2014年もよろしくお願いします。新年第1回は、今年の流行予測。生活総研の若手研究員からのヒアリングをもとに、5つのくるかもしれない!? ブームを予測してみました。気が早いですが、今年の年末に「どれくらいあたってたかなあ〜」と読み直すことを楽しみにしつつ、さっそく1つめのブームから参りましょう。
2014年のブーム予測、その1「C to Cマーケットがもっと身近になる」
LINEが2013年末に、EC(電子商取引)の新アプリ「LINE MALL(ラインモール)」をAndroid版で始めました。今年の春にはiPhone版もスタート予定です。みなさんよくご存じのように今年の4月からは消費税が5%から8%に上昇。節約意識も手伝って、生活者同士の売買活動が増えるだろう、と予測しました。
確かに、3%とはいえ、消費税アップは生活者の消費行動に何らかの影響を与えるでしょう。私たちの時系列データ「消費意欲指数」のここ数カ月の推移を見ても、「消費税アップ前の最後のボーナス期」「大きな買い物を今のうちに」ということで、昨年12月に急激に数字が上昇しました。ところが、1月になったとたん、これまでの動きとは全く異なり、今度は急激に下降してしまったのです。1年前を見ると、12月と1月は高めで安定していたのですが、12月に一気に高い買い物をしてしまったからでしょうか。1月は「12月に買いすぎたので控えます」といったコメントが男女年代問わず並ぶ結果となりました。
こうした傾向から、消費税が上がる春以降、生活者はなんとかやりくりをするようになり、その手立ての1つが「C to Cマーケット」――特にPCでの登録や売買を基本にしたオークションサイトではなく、今、日本人に浸透が進むスマホをベースにしたサイトやアプリだろう、と考えました。生活者同士がやりとりする市場は確実に広がっています。古くはフリーマーケット、そして現在のネットオークション、そして今回のC to Cモールというわけです。ネットでの小遣い稼ぎといえば、YouTubeのようにアップロードした動画閲覧数で、という人も一部出てきているようですが、C to Cマーケットは誰もが参加できるものだからこそ、広がる時の勢いも大きいでしょう。消費増税後、C to Cマーケットがどう動くか、注目すべき1つの視点だと思います。
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