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マー君にも知ってもらいたい? 伝説の日本人検死官窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

トーマス・T・野口という人物をご存じだろうか。誰? と思うかもしれないが、米国の法医学界では有名な監察医だ。渡米時、彼の英語は全く通じなかったが、どのようにして成功を収めたのだろうか。

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「自分が楽しむ」ことも不可欠


ハリウッド検視ファイル:トーマス野口の遺言』(新潮社刊、山田敏弘著)

 それは、成功後の挫折でも変わらない。局長としてブイブイ言わせていた野口さんは、有名人の検死結果についてしゃべり過ぎだとマスコミに叩かれて更迭されてしまう。

 職を失った野口さんは、南カリフォルニア大学医学部に一医師として籍を置いた。初出勤の日、与えられた部屋に行くと、そこには「シベリアへようこそ」なんて紙が貼られていた。こういう陰湿さは、日本も米国も変わらない。

 が、野口さんはここでもポジティブだった。どんなに煙たがられても自分から積極的に話しかけ、人間関係を構築する。気持ちを切り替えてひたすら研究に邁進し、今や名誉教授である。

 野口さんを取材したジャーナリストの山田氏によれば、ご本人は「目標や信念を持っていれば、そこにはどんな遠回りをしても行ける」とおっしゃっているようだが、ハタから見ていると、どんな状況に追いやられても、前向きになれる「メンタル」もでかい。

 目標や信念は確かに大切だ。だが、異国でそれを貫くためには、「自分が楽しむこと」も不可欠ではないか。

 マー君も大きな成功を収めるため、ぜひこの偉大な先輩についても知っていただきたい。

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