なぜ沖縄の人は「レトルトカレー=元祖ボンカレー」なのか:仕事をしたら“レトルトカレー”ができた(後編)(2/5 ページ)
沖縄の人にとって、「レトルトカレー=元祖ボンカレー」らしい。現在本土では売っていない「元祖」のカレーが、なぜ沖縄の人に定着しているのだろうか。ボンカレーを販売している、大塚食品の担当者に話を聞いた。
沖縄では元祖ボンカレーが売れている
垣内: ボンカレーは発売してから10年後に、新商品を出しているんですよ。「ボンカレーゴールド」と言って、元祖のモノよりも香辛料やフルーツをぜいたくに使っています。ゴールドを発売したことによって、元祖のシェアが徐々に低下していくんですよ。で、いまでは元祖を売っているのは沖縄だけ。
土肥: なんと! 沖縄では元祖が売れているのですか?
垣内: はい。沖縄に行かれたときには、スーパーに足を運んでみてください。レトルトカレーのコーナーには、元祖が並んでいると思います。ドイさんは先ほど「沖縄の人にとって、『レトルトカレー=ボンカレー』」とおっしゃっていましたが、正確に言うと違う。「レトルトカレー=元祖ボンカレー」なんですよ。
土肥: 確かに。それにしても、なぜ沖縄では元祖が売れているのでしょうか?
垣内: 沖縄の人たちは、島に最初に入ってきた商品を長く愛する傾向があるようですね。ちなみに、味はまったく変わっていません。
土肥: ボンカレーは、世界初のレトルトカレー。だから定着していると?
垣内: もちろんボンカレーだけではなく、他の商品でも同じような傾向があると聞いています。沖縄に初めて上陸したモノが定番になることが多いと。あと、沖縄には台風がよくやって来るので、非常食としてレトルトカレーをストックする人が多いようですね。なので、本土の人よりもレトルトカレーをより身近に感じているのではないでしょうか。
土肥: 沖縄の人は、今でも元祖を食べている。いやあ〜、初恋の人をずっと愛し続けて入るような感じですね。
垣内: ですね、ハハハ。
――ここで同席していたSさんがポツリ。
Sさん: 新しい彼氏ができても、元カレの名前で呼ぶみたいな。
土肥: ちょ、ちょっと……そ、それは例えが悪いですよ。
Sさん: えー、でもそうじゃないですかー。違うメーカーのモノを食べているのにもかかわらず、「このボンカレー、おいしいなあ」と言っているんでしょう?
土肥: た、確かに(汗)。
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