大雪でも高級天ぷらを貪る総理――日本の未来は大丈夫なのか?:グローバルエリートから見た世界(3/4 ページ)
安倍総理が2月16日に行った「会食」がやり玉に挙がっている。関東・甲信で大雪が降ったにもかかわらず、総理は東京の高級天ぷら店で舌鼓を打っていた。こうした行動に批判の声が挙がっているが、筆者の原田氏は違う角度で見ている。それは……。
リーダシップに必要な条件
話を元に戻す。ケリー国務長官の発言は、全て「現職の国務長官」としてはではなく、「次期大統領候補」として行っていると考えなければならない。すなわちその発言に一切、無駄なことはなく、全てが「合衆国大統領になるため」であることを踏まえておくべきなのだ。
そう考えた時、今回の突然の「気候変動は大量破壊兵器に匹敵する」との発言が気になって仕方がないのである。この問題に立ち向かう者だけが、大統領の座に就くことができるのではないだろうか。
確かに米国の大統領は民主主義のルールに従い、「選挙」によって決められる。かつて孟子はこう言った。
「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」
ここで確認してもらいたいのは、選挙においてもよく語られるこの言葉が“天の時”から始まっているということである。そう、単に「時」ではなく、「天の時」なのであって、自然環境、そして宇宙が織り成す全ての外部環境の中で与えられた絶好の時こそが全ての出発点なのである。
そして目先の「天」は気候変動である。気候の行方を誰よりも早く知り、そのことを利用して地の利、すなわち最適地を一番に獲得し、人の和を創っていく者こそが、今後、リーダーに選ばれるというわけなのだ。そして現代的な用語で語ってはいるものの、ケリー国務長官による今回の決然とした言葉はそうした世の東西を問わず、古くから伝えられてきた本当のリーダーシップの要諦を踏まえたものである。
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