“レジェンド”が所属する「土屋ホーム」は、どんな会社? ちょい先を分析した:数字のオモテとウラを学ぶコラム(1/4 ページ)
世界中で「レジェンド」と呼ばれている葛西紀明選手がソチオリンピックでメダルを獲得しました。彼は「土屋ホーム」という会社のスキー部に所属していますが、この会社の業績はどうなっているのでしょうか。決算書などから分析しました。
数字のオモテとウラを学ぶコラム:
企業のWebサイトを見てみると、プレスリリースのほかにも、決算情報や月ごとの業績資料など、参考になる情報がたくさん眠っています。主にマスコミや専門家向けに公開されているものですが、実はビジネスパーソンにとってもためになる資料なのです。「企業→マスコミ→自分」という情報の流れのほかに、「企業→自分」という情報の流れを持つことは、スピード感が求められる今のビジネス社会では、大きな“武器”になるでしょう。
この連載では、企業が発表するプレスリリースや決算短信などを題材に「なぜこのような発表が行われるのか?」「この発表の舞台裏では何が起こっているのか?」「今後、この企業はどうなるのか?」という疑問に対して、著者がときに答え、ときに推測します。
著者プロフィール・眞山徳人:
公認会計士。大手監査法人にて、監査業務のほか、管理会計の導入から経営ビジョンの策定にいたるまで、さまざまな種類のコンサルティング業務に従事。また、大学や大学院でのインターンシップ研修の運営や各種企業研修での講師も担当。
難しい会計やビジネスの世界を分かりやすくひも解き、「中学生でも分かるように」説明することを信条としており、書籍や雑誌でも物語や漫画などの形式で会計の仕組みを解説している。座右の銘は「できるときに、できることを、できるだけ」。誠ブログ「公認会計士まーやんの『ロジカるつぼ』」を連載中。
ソチオリンピックが2月23日に閉幕しました。羽生結弦選手の金メダルをはじめ、たくさんの感動やドラマがあったオリンピック。寝不足の日々を過ごした人も多いでしょう。
一方で、パラリンピックが3月7日に開幕し、日本人選手の活躍もニュースなどで報じられています。しかし、連日生中継の放送があり、皆睡眠不足になりながら観戦していたオリンピックと比べると、どうしても注目度は低いと感じざるを得ません。
選手たちがそれぞれの障害を抱えながら、それでも自分を極限まで高め、そのパフォーマンスを五輪の舞台で発揮する。そのことだけで、パラリンピックの選手たちは尊敬に値する存在なのではないかと思います。
今回は、ソチの感動を思い出していただき、さらには今開催中のパラリンピックに少しでも目を向けていただきたいという願いを込めて、「あの選手」が所属している企業の財務分析をしてみたいと思います。
土屋ホームは北海道発の住宅メーカー
オリンピックに出場した日本人選手の中で、複数個のメダルをとった選手が1人だけいます。スキージャンプ男子個人ラージヒルで銀メダル、ジャンプ団体で銅メダルを獲得した葛西紀明選手。実に7度目のオリンピックでのメダル獲得という快挙は、日本人のみならず、世界中で「レジェンド」と喝采を浴びています(カサイにカッサイ……失礼)。
そんな葛西選手、所属している会社で「部長待遇への昇進」が検討されているというニュースがありました。実は葛西選手は「土屋ホーム」という会社のスキー部のメンバー。今日はこの企業を分析してみたいと思います。
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