“レジェンド”が所属する「土屋ホーム」は、どんな会社? ちょい先を分析した:数字のオモテとウラを学ぶコラム(2/4 ページ)
世界中で「レジェンド」と呼ばれている葛西紀明選手がソチオリンピックでメダルを獲得しました。彼は「土屋ホーム」という会社のスキー部に所属していますが、この会社の業績はどうなっているのでしょうか。決算書などから分析しました。
土屋ホームは、札幌に本拠地を置く住宅メーカーです。親会社の「土屋ホールディングス」をはじめとした土屋グループの主力事業会社という位置付けです。ここで、土屋グループが運営している事業を簡単に整理してみましょう。
・住宅事業
注文住宅の設計・請負・施工監理、分譲戸建住宅の施工販売、住宅用地の販売
・増改築事業
増改築・リフォーム工事の請負・施工
・不動産事業
分譲マンション・中古住宅の販売、不動産の仲介
・賃貸事業
不動産の賃貸・管理
※第38期会社報告会資料より抜粋
「住宅」を軸にさまざまな事業を営んでいるグループであることが分かります。
まずは、土屋グループの過去数年の業績を見てみましょう。
グラフを見ると、「2011年10月期」に少し売上・利益が落ち込んでいますが、その年度を除けば非常に順調な推移を見せていることが分かります。2011年度は東日本大震災により、ほとんどの業界で業績が悪化した年です。こういった業績の推移を見る場合には、災害などの突発的な要因を除外して見ることで、会社の「地力」をより的確に推し量ることができる……ということを、覚えておくとよいでしょう。
ちなみに、グラフの右端には2014年10月期の予想値が書かれています。この数字は土屋ホールディングスが決算短信で公表しているものです(参照リンク、PDF)。すなわち、土屋グループの経営陣は、来期も今までどおり堅調な経営が可能だという見解を、この予想を通じて発信しているといってもよいわけです。
しかし、そうは言っても予想は予想に過ぎません。土屋グループが今後どのような動きを見せていくのか、その予想は人によってそれぞれだと思います。
このときの予想の仕方はいろいろ考えられますが、ここでは「市場全体の動向」と「土屋グループの業績」を並べてみることで、土屋グループの業績予想が妥当かどうかを考えてみることにします。
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