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利用者激怒、信頼失墜……交通機関のストライキに効果はあるのか?:杉山淳一の時事日想(6/6 ページ)
3月20日、関東バスと相模鉄道・相鉄バスの3社がストライキを決行した。法律に基づいた行動だが、利用者からは歓迎されず、現場の労働者自身が批判の矢面に立たされている。労働争議の手法は長い間変わっていないが、そろそろ新たな戦術が必要ではないか。
ストライキに変わる戦術を開発すべきだ
相模鉄道労働組合は、現在、相模鉄道が他の鉄道と相互乗り入れをしていないからストライキをやりやすかったともいえる。2018年にJR東日本や東急電鉄と相互乗り入れが始まったら、事情が変わるかもしれない。事実として、1990年代以降、大手私鉄でその路線の列車全部がストップするようなストライキはほとんど行われていない。
ストライキの正当性は支持するが、やはり顧客に迷惑をかける戦術は感心しない。短期的に利用者が減らなくても、長期的には減る可能性はある。ストライキをする路線から、ストライキをしない路線へ引っ越すという人口流動は十分に考えられる。顧客が離れれば会社をつぶし、自らの職場を失ってしまうだろう。
労働者は会社に待遇改善を求める権利がある。ストライキができないとなると、会社側が優位になってしまう。つまり、ストライキによって成立した労使交渉のバランスが崩れる。そのために、労働組合はストライキに変わる争議戦術を開発しなくてはいけない。社会情勢がめまぐるしく変わっていくなかで、紀元前からのストライキ戦術を見直す時期になったのではないか。
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