ヘッドハンティングにおける、ターゲットを特定する2つのパターン:ヘッドハンターが明かす転職事情ウソ・ホント!?(1/2 ページ)
ある日突然、ヘッドハンターからあなたに連絡が入れば「誰から自分のことを聞いたのか?」と思うだろう。今回は、ターゲットを特定する2つのパターンと、候補者のピックアップについて紹介する。
ターゲットを特定する2つのパターン
「誰から自分のことを聞いたのか?」
ヘッドハンティングで、初めて会うターゲットから必ず聞かれる質問だ。ターゲットを特定するパターンは大きく2つに分かれており、そのうちのいずれかだという話はしている。その2つのパターンとは、
- 依頼主が求めるターゲット像を元に、ヘッドハンターが人を介した評判などから候補者を絞り込んだ場合
- 依頼主が名指しでターゲットを指名しており、直接本人に声をかけている場合
の、いずれかである。7〜8割は1.の“人を介した評判を元にたどり着いた場合”なのだが、実はかなりの時間と人を介してターゲットに行き当たっているので、一言ではその情報源が伝えにくいというのが実情である。
また、2つめの“依頼主が名指しでターゲットの指定している場合”は、実はその依頼主がターゲットと同業である場合が多く、そのため、当初は社名さえ明かすことが難しい。ターゲットからすれば「どこの企業が自分を指名してくれたのか?」と興味津々だろうが、初回の面談ではそれは明かさないことがほとんどである。
候補者のピックアップ
では、指名でヘッドハンティングを依頼する企業は、どうやって候補者をピックアップしているのだろうか? 代表的なのものとしては、
「同業界のおつき合いの中から優秀な人と見初められる」
「取引先のコンペで競合するたびに負けてしまう優秀な営業マン」
「取引先の△△さんを自社に招き入れたい」
というように、業界団体で面識のある人であったり、過去につき合いがある取引先の社員であったりと、名前が分かっている場合である。次に多いのは、
「名前は分からないが、××会社で●●(商品名)の開発をした人材に会いたい」
「あの会社の営業責任者が欲しい」
などの、固有の人材までは判明しているが名前までは分からないという場合だ。この場合はわれわれが人物名を特定することになる。とくに、個人名まで分かっている場合は、「だったら自社で声をかけたら良いのでは?」と思うかもしれないが、
「技術的には欲しいが、人柄が当社に合うだろうか?」
「転職の意思はあるだろうか?」
「年収はいくらだろうか?」
「こちらから声をかけて、やっぱり違ったという訳にはいかないよな……」
「ダメだった場合、現職会社との関係に悪影響がでるのではないか……」
などの、いくつかの理由でためらっている場合もある。
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