ダイソン、トイレに進出――時速690キロの空気で水滴を吹き飛ばす
ダイソンは9日、手洗い機能と乾燥機能が一体化した「ダイソン エアブレード タップ ハンドドライヤー」を発表した。サニタリー事業でBtoBに進出する。
掃除機や羽のない扇風機などの家電製品を展開していたダイソンが、BtoBビジネスに参入する。ダイソンは9日、手洗い機能と乾燥機能が一体化した「ダイソン エアブレード タップ ハンドドライヤー」を発表した。時速690キロの空気の層によって、手に付いた水滴を落とす。
発表に合わせて来日した創業者のジェームズ・ダイソン氏は、「ダイソンは日常のフラストレーションを解消するために起業した。温風を吹き出すハンドドライヤーは、乾燥までに時間がかかるし、音もうるさいし、不潔だし、消費エネルギーも多かった。エアブレードシリーズは、高速モーターを使いつつ、静かであることを重視して開発した」とコメント。
今回発表したエアブレードシリーズは、「タップ(tap)」「ブイ(V)」「ディービー(dB)」の3種。このうち、タップは蛇口と送風口が一体化しており、洗面台を離れることなく手洗いと乾燥が行える。同社では、ペーパータオル1枚(0.4円)以下の費用で、タップは6人、ブイとディービーは7人の手を乾かせるという。年間維持費は1日200人が使う場合、約5000円だ。
送風口から出てくるのは温風ではなく通常の空気だ。最小0.1ミクロンのバクテリアを99.95%除去する「HEPAフィルター」を通すため「トイレで日常的に吸い込んでいるものよりもきれいな空気」(同社)が吹き出す。タップは12秒、ブイとディービーは10秒で水滴をかき落とす。
心臓部は、秒間10万回転が可能なデジタルモーター「V4」。1600ワットのブラシレスDCモーターは、0.7秒以内に静止状態から9万回転まで加速する。モーター音は、「ヘルムホルツ式空洞」という音の周波数を吸収する装置を組み合わせて対策した。
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