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コンビニで展開されるキャンペーンが、つまらない理由:ご一緒に“おでん”いかがですか(4/4 ページ)
コンビニをのぞいてみると、さまざまなキャンペーンが展開されている。しかし、そのほとんどがつまらない。その理由は……。
オーナーの不満がたまっていく
そんな不毛なキャンペーンばかりだと、店舗のオーナーも不満がたまっていく。
先日、こんなニュースが流れた。『「店主は労働者」岡山判断に不服 セブン側が再審査申し立て』――。
「コンビニオーナーは本部の労働者だ。だから労使関係にある」という内容だ。ちなみに、筆者はそのようには考えていない。というのも、本部の人間に対し、いろいろとモノを言えるからだろう。元本部社員としては、担当社員のほとんどは後輩。面倒なことを言ってきたら「じゃあ、お前やっとけよ。オレはそんなにヒマじゃない」と言うことができる。
しかし、ほとんどのオーナーは違う。「本部の労働者」……そう考えるオーナーがいても無理はない。本部からの施策が多すぎるので、店舗のオーナーは独自の企画ができない環境に、不満がうっ積しているのだ。本来は、本部が大きな流れつくって、オーナーは店独自の企画を実行するのが、この仕事の面白いところなのに。
そんな現場の環境を脱するためにも、メーカーサイドには考えを改めてもらいたい。本部の言いなりにキャンペーン資金を投資するのをヤメてもらえないだろうか。キャンペーンをやれば、仕入れ数が上がるので、売り上げはアップするかもしれない。しかし、利益はどうなのか。また、お客さんに価値を提供できているのだろうか。
最後に、ハッキリ言おう。「あなたの会社のそのキャンペーン……ムダだよ。やめてくれよ。そっとしておいてくれよ」。
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