死してなお、1000億稼ぐマイケル・ジャクソン:伊吹太歩の時事日想(3/3 ページ)
2009年に急死したマイケル・ジャクソンだが、彼が死後4年で約10億ドルを稼いだのをご存じだろうか。2014年5月には、未発表の8曲で構成される新アルバム『XSCAPE』が登場する。彼の稼ぎはまだまだ止まらないが、金銭トラブルも尽きないという。
新アルバムがさらなる金銭トラブルを招く?
ただ、こんなに稼いでも、もうこの世を去ったマイケルがその恩恵を受けることはない。マイケルの財産は、5ページにわたり書かれた彼の遺言により、20%がチャリティーに寄付され、40%が3人の子供たちに渡る。残りの40%は実の母親キャサリンに行くことになっている。だが、キャサリンが死亡すれば、その40%の権利は子供たちに渡ることになるという。
マイケルが生み出す収益を管理するのは、遺産管理団体(マイケル・ジャクソン・エステート)だ。マイケルと親しく、遺言で名指しされた弁護士の執行人ジョン・ブランカが中心となり、マイケルの財産などを管理している。
日本のテレビ番組などでもよく報じられていることだが、マイケルの金については、親族内でも揉めごとに発展している。ジャネット・ジャクソンやほかの兄弟が、マイケルの財産などを受け取れるマイケルの母キャサリンの世話を買って出たり、遺書に名前がなかった父親が、管理団体から生活費として毎月8万6000ドル(日本円にして約860万円)を受け取っているキャサリンにたかっているという話もある。親族のほとんどが連名で遺産管理団体の執行人を解雇しろと訴える手紙を出すといった騒動も起きた。
新アルバム『エクスケープ』もまた『スリラー』ほどではないにせよ、多額の利益を生むことは間違いないだろう。『エクスケープ』の売り上げは、エピック・レコードや遺産管理団体などが得るとみられる。そして、子供や母親に分配されるのだろう。
マイケルの死後、彼の財産に群がった人は大勢いた。家族だけでなく、ビジネス絡みの話も例外ではなかったようだ。多くの示談や訴訟が行われていると関係者は語っている。きっとファンたちは、死後も稼ぎ続けるマイケルの周辺で今後さらなる騒動が起きないよう願っているはずだ。純粋に彼の才能を讃えたい、と。そしてマイケル自身も、あの世からそう願っているのではないだろうか。
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