「IoT」時代に企業が準備すべきことは何か:松岡功の時事日想(1/3 ページ)
あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」時代が到来しようとしている。この動きをビジネスに取り込むために、企業が準備すべきことは何か。
著者プロフィール:松岡功(まつおか・いさお)
ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。
主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。現在、ITmedia エンタープライズで「Weekly Memo」を連載中。
まずは読者の皆さんに質問を。
「世界中で使われている○○の中身をすべて把握できたとしたら、世の中は本当に変わる」
文中の○○に入る言葉を考えてみていただきたい。簡単そうで意外に難しいのでは?
回答例は後ほど紹介するとして、先頃こんな問いかけを盛り込んだIoT(Internet of Things)に関する興味深い話を聞く機会があったので、今回はその内容をもとにIoTとビジネスの関係について考えてみたい。
興味深かったのは、ガートナージャパンが先頃開いたプライベートイベント「ガートナーITインフラストラクチャ&データセンターサミット2014」で、ガートナーリサーチ リサーチディレクターの池田武史氏が行った講演の内容である。
「あらゆるモノやコトがつながる時代に企業が準備すべきこと」と題した池田氏の話は、まさしくIoTとビジネスの関係に斬り込んだものだった。
まずは、IoTにおけるガートナーの定義を紹介しておくと、「IoT(モノのインターネット)とは、物理的なモノ(物体)のネットワークである。また、その物体には自らの常態や周辺環境をセンシング(センサーを利用して物量、音、温度などを計測すること)し、何かしらの作用を施すテクノロジーが埋め込まれている」としている。
池田氏によると、この定義によって、IoTで注目すべきは「モノ」ではなく、その内部や周辺で起こっている「コト」であることを示しているという。そして、このIoT時代の到来によって、2020年には300億個を超えるモノがつながり、1兆9000億ドル(約194兆円)の経済価値を創出すると予測している。
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