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「IoT」時代に企業が準備すべきことは何か:松岡功の時事日想(3/3 ページ)
あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」時代が到来しようとしている。この動きをビジネスに取り込むために、企業が準備すべきことは何か。
そのコトの見つけ方として、池田氏は次の3つのポイントを挙げた。1つ目は、数や量、重さ、長さ、温度、広さなど計測可能なコト。2つ目は、時間的な変化や空間的な分布から見えてくるコト。3つ目は、異なる事象の相関関係から新たに発見されるコトだ。これらがコトを分析するときのチェック項目になるという。
人の観点において企業が準備すべきことは、単に特定の責任者を置くのではなく、ビジネスの現場を熟知した人とテクノロジーを熟知した人のコンビネーションを図る体制を構築していくことだ。さらにそうした個々人においても「既存の常識やルールを越えて新しいゲームを作れる想像力と実行力が求められる」と池田氏は説く。
その上で「デジタル時代がもたらす変化は、既存のビジネスの力関係をも根幹から変える可能性があるため、現状のビジネスの延長ではなく、自社の顧客や製品の周辺にも興味を広げて、新しい競争関係で優位に立つための戦略を継続的に模索することが肝要だ」(池田氏)と提言している。
さて最後に、冒頭の質問の○○に入る言葉は思いついただろうか。回答例を1つ。「冷蔵庫」を入れると、世界的に深刻な食糧問題の打開策につながらないだろうか。ほかにも回答はいくつもありそうだ。ヒントは変えたい分野から考えると発想が浮かぶかも。実はこの考え方が、IoT時代には強く求められるのである。
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