スマホが普及、変わり目は“今”──Livescribeが仕掛ける「スマートペン」市場の勝算:“タッチの次”を見いだす技術(4/4 ページ)
書いたものがそのままデジタル化される「スマートペン」に注目が集まっている。スマホUIは今後どう進化するか、どんなスタイルが主流になりそうか。海外市場での投入から遅れること数年、満を持して日本市場にスマートペンで参入したLivescribeのジル・ブシャールCEOに勝算を聞いた。
スマートデバイス+スマートペン 「二度と情報をなくさない」近未来UIの新たな一手
── デジタル周辺機器としての機能はとても分かりやすいですね。一方、一般ビジネス層に向けたペン、文房具として考えるといかがでしょう。価格帯の考えを教えて下さい。
ブシャールCEO 現時点の製品価格は、新しい優れた技術とユーザー価値を提供できる製品としてはリーズナブルと考えています。ただ、ユーザー価値の提供がきちんと確立され、その販売量も増え、市場を想定通りに拡大していければ、もちろん2014年4月現在より低い価格帯に設定できることでしょう。ともあれ、価値をまだ提供できていない段階で価格を下げるのは時期尚早で、製品にとっても、ユーザーにとってもメリットがあることでないと思います。
モノの進化としては、古くは米国のフォード車、あるいは携帯電話などのように、発売当初はわずかなモデル数で量産し、普及するにつれニーズに応じて多品種化し、価格も手ごろになっていくという流れと同じです。まずはその製品の価値をきちんと確立してから、次に市場をセグメント化して販売領域を拡大していく計画です。
今のビジネスモデルで一定の層に受け入れられれば、次は市場のより細かく分類し、低い価格帯のモデルから、ハイエンドモデルまで、さらにカスタム化の分野にも手を伸ばしていければと考えています。
── 最後に、ビジネスパーソンに向けて「Livescribeで何が変わるか」。ズバリ刺さりそうなアピールをしていただけますか。
ブシャールCEO 「二度と情報をなくすことはない」!
これは、手書きしたメモでも、耳から入って来る情報でもです。
あなたが普段実施している「手書きメモ」は、ビジネスにいかに必要なことか。デジタルガジェットやIT技術が普及した今だからこそ、スマートペンのLivescribeによってその利便性を再認識していただけるはずです。だからアナログな人にこそ、ぜひ使っていただきたいですね。
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