なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか:仕事をしたら“アイス”ができた(2)(2/6 ページ)
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。
ソフトクリームは看板商品ではなかった
土肥: ミニストップといえば「ソフトクリーム」を想像する人が多いと思うんですよ。というのも、お店の前にコーンの縁がフリフリになっているオブジェが置いていますよね。アレを見るたびに「このコンビニはソフトクリームにチカラを入れているなあ」と感じるんですよ。
今回の取材にあたって、ちょっと調べたところ、ソフトクリームは創業当初の1980年から販売しているそうですね。以降、ずっと販売されているわけですが、やはり創業当初もいわゆる看板商品だったのでしょうか?
山盛: いえ、実は違うんですよ。ミニストップは1980年創業ということで、コンビニ界では後発組。競合他社と同じようなスタイルの店舗を出しても、なかなか特徴が出せません。じゃあ、どうしようか? と考えた結果、「コンビニ+ファストフード」のような店舗を出すことにしました。で、最初の看板商品は、フライドチキンとサンドイッチでした。サンドイッチは店内でパンを切って、ハムやレタスなどを挟んで販売していました。
土肥: 当時の写真を見ると、まるでファストフードですね。コンビニの雰囲気がまるでない。
山盛: ですよね。で、なぜソフトクリームを販売したかというと、70年代後半に第二次ソフトクリームブームがきていたんですよ。人気はありましたが、今と違ってあまり売られていませんでした。そういった環境だったので、「近くのコンビニで気軽に買うことができれば、売れるのでは」という読みがあって、販売することにしました。
関連記事
- アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由
アイスが食べたくなったので、コンビニの冷蔵ケースの中をのぞいてみると、定番商品ばかり。アイス市場は新商品が生まれにくいものなのか。そんな疑問が浮かんできたので、ロングセラーを続けている「pino」(森永乳業)の担当者に話を聞いた。 - ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
「コーヒーはコンビニで買う」という人が増えてきているが、一体どんな人が購入しているのだろうか。ローソンのPontaカードを分析すれば「どういった人が何を買ったのか」が分かるので、担当者に直撃。男性20〜40代がよく飲んでいるのは……。 - なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのか
ローソンでスイーツの販売データを見せてもらった。それによると「エッグタルト」はあまり売れていないのに、店頭に並び続けている。人気のない商品は消えていくはずなのに、なぜ「エッグタルト」を売り続けるのか。 - 自販機の一等地は「左上」? 人の視線を追いかけたら“常識”が覆った
自販機で缶コーヒーを買う――。日常的な行動なので、意識していない人が多いと思うが、実は自販機には隠れたノウハウがある。マシンの前に立ったとき「人は『左上』に注目する」と言われてきたが、ダイドードリンコがアイトラッキングを使って分析したところ……。 - ミドリムシが世界を救う? そんな時代がやって来るかもしれない
「ミドリムシ」と聞いて、どんなことを想像するだろうか。「青虫」「ミトコンドリア」などを思い浮かべる人も多いのでは。ミドリムシを増やして、地球そして人類を救おうとしている会社がある。その名は「ユーグレナ」。社長の出雲充氏に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.