感情を忘れたビジネスマンは出世しない:東大生はなぜ会社で使えないのか?(2/3 ページ)
人が感情を表すのは、決して珍しいことではありません。むしろ、当たり前のことです。仕事をする以上、こうした感情的な部分も織り込んで対応するのは当然のことです。
自分が感情的になれば、相手の感情を理解できる
感情を残しておくことには、副次効果があります。ビジネスの世界は、実は感情で動いているケースが多い。
典型的な例を出すと、上司が不機嫌な裏には家で奥さんとケンカをしたなど、感情的な原因があります。「なんか気に入らねえなあ」という感じで、非合理な理由で怒られることが少なくありません。
論理ばかりで物事を判断しようとする人は、そういった状況を当たり前のこととして捉えることができない。これでは、ビジネスマンとして致命的です。取引先の人にも機嫌がいい、悪いは当然のようにあるので、当たり前のこととして捉えなければいけません。
自分に感情の起伏があるなら、相手にもあるのは自然のことです。
自分の感情を大切にすると、他人にも感情で動く仕組みがあることをよく理解できます。そうして相手への対応が上手になっていく。マイナスの感情をうまく受け流すことができるようになり、受け止め方がうまくなっていくのです。
繰り返しますが、内に秘めた感情をなくさないでください。最近の若いビジネスマンは、合理的に仕事をしようという概念があまりにも強すぎる。
「日本の企業と比べて、外資系はすごく合理的に判断する」
「グローバル企業で生きていくためには、論理的に冷静に振る舞わなければならない」
そう考えている若者が少なくないですが、実際には真逆。特に日本以外のアジアのビジネスパーソンは感情的にビジネスをしています。そういった感情を理解できなければ、ビジネスにおいて良好なコミュニケーションはとれません。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が感情的な人だということが知られたこともあり、「リーダーには感情が大事だ」と言われるようになってきました。しかし日本では、「感情を大切にしよう」という流れはまだ限定されている気がします。
若手ビジネスマンも感情を大切にしてください。感情の波が平坦になると、仕事の仕方も平坦になってしまい、優れた結果は生まれません。
相手の機嫌の良し悪しで対応を変えろ!
私は普段、社員教育の一貫として、あえて感情的に理不尽な振る舞いをすることがあります。一種の職場トレーニングです。
若い世代のなかには合理的に考えすぎる人がいるので、そういった社員には「人間は感情がある生き物」と覚えさせなければいけない。
取引先の相手にも、機嫌の良い日、悪い日が絶対にあります。そういう日は、コミュニケーションの取り方を変える必要がある。そのためにはまず、相手の感情の違いに気付かなければいけません。
もし私が社内で感情を抑えて対応していると、若手社員は「人間は合理性で動くもの」と間違って考えてしまいます。ですから、社内ではトレーニングの一貫として、感情の波を出すことで「人間には機嫌のいいときと悪いときがある」と教えています。
人が感情を表すのは、決して珍しいことではありません。むしろ、当たり前のことです。仕事をする以上、こうした感情的な部分も織り込んで対応するのは当然のことです。
今回のポイント
自分の感情を大切にすれば、相手の感情を重視できるようになる
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