感情を忘れたビジネスマンは出世しない:東大生はなぜ会社で使えないのか?(3/3 ページ)
人が感情を表すのは、決して珍しいことではありません。むしろ、当たり前のことです。仕事をする以上、こうした感情的な部分も織り込んで対応するのは当然のことです。
いまの苦労はマネジャーになったときの宝物
若手ビジネスマンも多くの経験を積んで、やがて部下を持つ立場になります。組織のマネジメントをする際に必要なのが、感情移入のスキルです。
例えば部下がそろっている場で発言する際、「こういうことを話したらAさんはよく思い、Bさんは不快な顔を浮かべ、Cさんは協力してくれる」などと、相手の気持ちを想像できるか。受け止める側の感情を予測しながら対応することで、気の利いたマネジメントやリーダーシップを実行できるようになります。
こう考えると、マネジメントは経験が大きい世界。自分がさまざまな体験をすればするほど、それがデータベースとして蓄積されていくからです。
自分が経験すれば感情移入できる
マネジメントする立場になったとき、部下の子どもがカゼをひいたとします。そんなとき、自分にも子どもがいる人のほうが心配顔で働く部下に「今日は帰っていいよ」と言ってあげられる可能性が高い。
人は自分が経験していないと、なかなか相手に感情移入できません。苦労やさまざまな体験をした人がマネジメントでうまくいくのは、他者の気持ちを瞬時に理解できるからです。
苦労や経験は将来の宝物。若いうちにいろいろなことを体験することで、マネジメントする上での土台がつくられていきます。
経験の幅が大きければ大きいほど、一瞬の判断の質が上がっていきます。だから若いうちから将来に備え、自分が経験したことを記録として残していってください。その記録の蓄積が、マネジャーになったときの財産になります。
自分が下の立場の頃、上司にされてよかったこと、嫌だったことも記録に残しておきましょう。将来、絶対に役立つはずです。
今回のポイント
苦労や経験を蓄積すれば、マネジャーになったときの財産になる
(終わり)
著者プロフィール:
関厳(せき・いわお)
株式会社リブ・コンサルティング 代表取締役/国際公認経営コンサルティング協議会認定/マスター・マネジメント・コンサルタント。
2002年、東京大学教育学部卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。トップマネージャー賞をはじめ、数多くの社内賞を獲得し、史上最年少で取締役に就任。その後、専務取締役に就任し、コンサルティング部門の責任者として活躍。
2012年、同社を退職し、株式会社リブ・コンサルティングを設立。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念に掲げ、トップコンサルタントとして幅広い業界のコンサルティング支援に携わる。
【著書】
『東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)
Twitterアカウント:@Iwao14。
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