大阪の人はチョコミントが嫌い? 自販機アイスの謎が溶けてきた:仕事をしたら“アイス”ができた(4)(3/4 ページ)
「セブンティーンアイス」をご存じだろうか。ショッピングセンターや公園などで設置されている自販機アイスのことだが、商品を扱っている江崎グリコに聞いたところ、大阪では「チョコミント」が苦戦しているという。なぜ……?
チョコミントの謎、科学的に解明
――というわけで、なぜ大阪で「チョコミント」がなかなか売れないのか。その謎を解明するために、「味覚センサー」を開発したAISSYの鈴木隆一さんに話をうかがいました。
土肥: 味覚センサーを使うと、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味――この5つの味を数値化できるんですよね。そこでセブンティーンアイスのチョコミントとバニラがどんな味をしているのか分析してもらいました。早速ですが、どのような結果が出たのでしょうか?
鈴木: 2つの味を比較したところ、違いは「甘味」と「旨味」にありますね。バニラに比べて、チョコミントは甘味が抑えられています。また、旨味も弱い。つまり、「あっさり食べることができる」んですよね。
さらに、後味の違いにも特徴がありました。口の中での甘味の変化を分析したところ、バニラに比べてチョコミントは一気に甘味がなくなることが分かりました。
ということで、チョコミントが好きな人は「甘味が控えめで、後味が残らない」味を好む。一方、チョコミントが苦手な人は「甘味の後味が残る」味を好む。味覚センサーのデータからは、そんな傾向がうかがえました。
土肥: なるほど。ただ、その結果から、大阪の人がチョコミントをあまり食べない、ということまでは分からないですよね。
鈴木: 残念ながらそこまでは……。ただ、ドイさんがチョコミントを嫌っている理由は「歯磨き粉を食べているような感じがするから」ですよね。ということは、ミントの香りがする歯磨き粉を使っている人は、チョコミントが苦手なのかもしれません。なぜなら、歯磨き粉は飲み込んではいけないモノなので、身体がミントの香りを警戒している、という見方もできますね。
関連記事
- なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。 - アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由
アイスが食べたくなったので、コンビニの冷蔵ケースの中をのぞいてみると、定番商品ばかり。アイス市場は新商品が生まれにくいものなのか。そんな疑問が浮かんできたので、ロングセラーを続けている「pino」(森永乳業)の担当者に話を聞いた。 - ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
「コーヒーはコンビニで買う」という人が増えてきているが、一体どんな人が購入しているのだろうか。ローソンのPontaカードを分析すれば「どういった人が何を買ったのか」が分かるので、担当者に直撃。男性20〜40代がよく飲んでいるのは……。 - 自販機の一等地は「左上」? 人の視線を追いかけたら“常識”が覆った
自販機で缶コーヒーを買う――。日常的な行動なので、意識していない人が多いと思うが、実は自販機には隠れたノウハウがある。マシンの前に立ったとき「人は『左上』に注目する」と言われてきたが、ダイドードリンコがアイトラッキングを使って分析したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.