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あまり売れていなくても、コンビニに定番商品が並ぶ理由:ご一緒に“おでん”いかがですか(3/5 ページ)
コンビニの店内を見ると、ロングセラー商品がズラリと並んでいる。新商品が相次いで販売される中で、なぜ昔からある商品は棚に並んでいるのだろうか。
売り場から定番は外せない
コンビニの棚には新商品がズラリと並んでいるが、ロングセラー商品はものすごく重要なのだ。ほとんどのロングセラー商品はフレーバー展開をしていて、そのフレーバーがどんなに好調でも、定番の味は売り場から外さない。
例えば、アイスの「ガリガリ君」は夏場にさまざまな味の商品を出してくるが、お店では必ず定番のソーダ味と一緒に売る。あるフレーバーが大ヒットになって、定番の売り上げが減少しても、廃棄にならない限り売り場に並べておく。
多くのコンビニ来店者は、お店に入るまで買う商品を決めていない。もちろん、飲み物を買おう、アイスクリームを買おうといった購入目的はあるが、どの商品を買うかは決めていない。
例えば「アイスが食べたい」と思った時点で、「コンビニに行こう」という動機となる。そして、店内のアイスケースの前で、「何にしようかな?」となる。ケースには見慣れた商品とそうでない商品が混在している。まず、目に入るのは見慣れた商品だろう。その見慣れた商品……つまり、ロングセラーの横に、新商品のフレーバーがあることに意味があるのだ。
お客さんはロングセラー商品を信用しているので、新しいフレーバーを見ると「別の味かあ。どんな味なんだろう? 買ってみようかな」となるわけだ。そこで、定番商品がなく、フレーバー商品だけだと、「どんな味なんだろう?」となかなか思ってくれない。信用度はすぐに上がらないので、単品だけではフレーバー商品はなかなか売れないのだ。
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