あまり売れていなくても、コンビニに定番商品が並ぶ理由:ご一緒に“おでん”いかがですか(4/5 ページ)
コンビニの店内を見ると、ロングセラー商品がズラリと並んでいる。新商品が相次いで販売される中で、なぜ昔からある商品は棚に並んでいるのだろうか。
お店が閉店になっても、定番は必要
お店が閉店することになると、ほとんどの商品の発注を止めなければいけない。しかし、最後の最後までロングセラー商品だけは発注する。ロングセラー商品の中には、1カ月に1個くらいしか売れないモノもある。それでも、その商品を欠品させてはいけないのだ。なぜか。
発注を止めてしまうと、当然お客さんが望んでいる商品からなくなってしまう。閉店が近づくと、本当の意味での“売れ残り”だけになってしまう。そんな状態になると、お客さんは買ってくれない。
例えば、ある紳士服の量販店では、毎週のように「閉店セール」を展開している(実際にはそんなお店はないと思うが、そんな印象がある)。「閉店セール」という言葉に釣られて、お店の中をのぞいてみるものの、流行遅れのスーツや派手な色のジャケットしか残っていなくて、残念な思いをしたことがある人もいるだろう。流行遅れのスーツが安く売っていても、お客さんは「自分が欲しい」と思ったモノ――それが店内になければ、なかなか買ってくれないのだ。
コンビニでも同じように、閉店するからといって、店内に“売れ残り”ばかり並べていても、在庫処分はなかなか進まない。多くのお客さんが「欲しい」と感じるモノ――つまり、定番商品がなければ在庫処分はできないのだ。
極端なことを言えば、飲料に関しては、ポッカコーヒー(地域によってはダイドーブレンドコーヒー)、お〜いお茶、コカ・コーラ、南アルプスの天然水があれば、最低限の商売が可能である。もちろん、通常時にこれだけしか品ぞろえがなければお客さんにそっぽ向かれるだろうが……。
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