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日本は最後の“黄金郷”――黒船カジノと国産カジノの戦いが勃発:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
安倍首相が訪問中のシンガポールでカジノを視察した。これまで“カジノ法案”はなかなか成立しなかったが、首相が視察したことで、国内外の企業から「ひょっとしたら……」という機運が高まってきている。
日本は最後の黄金郷
岡田さんは、世界的カジノ企業のウィン・リゾーツの総帥であり、「ラスベガスのカジノ王」と呼ばれるスティーブ・ウィンとかつて盟友関係にあり、カジノ運営のノウハウを吸収している。事実、現在フィリピンでは大規模IRの計画を進めている。
ウィンとの「トラブル」さえ片付けば(参照リンク)、「日本のカジノ王」にもっとも近い人物である。そんな岡田さんが、国内の誘致合戦に参戦すれば、勢力図は大きく変わってくる。
その代表格であるサンズもMGMも、大都市でのIRにしか興味ないと明言している。カジノで外国人観光客を集めようなんて自治体はハナから相手にしていない。これはガチで日本の富裕層を「客」としてとりにきているということを示している。
ガッツリと金融資産を貯め込んだ高齢者であふれかえるこの国は、世界のカジノ業者からすれば最後の“黄金郷”といえなくもない。安倍さんの視察で、日本は「カジノ解禁」が本気であることを世界に示した。こうなればさまざまな“黒船”が押し寄せてくるのは当然だ。
それを迎え撃つために、「日本企業」がすべきことは、手を取り合って国民が納得をするような「国産カジノ」を唱えるべきなのかもしれない。
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