パズドラ、モンストに続くか? 注目スマホゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」:孫さんもオススメ?
6月から、スマホ向けゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」のテレビCMが始まった。このタイトルを作っているスーパーセルは、ソフトバンクとガンホーが2013年に買収したフィンランドの企業。注目の理由は……。
6月1日、「クラッシュ・オブ・クラン(Clash of Clans)」のテレビCM放映が始まった。俳優の渡部豪太さんがクラッシュ・オブ・クランのキャラクターと共演する、というものだ。
……と言っても、「クラッシュ・オブ・クランって何?」という方が多いだろう。クラッシュ・オブ・クランは、フィンランドのゲームメーカースーパーセル(参照リンク)が提供している、スマートフォン向け無料ゲームである。
タイプとしては、自分の村を育てる“箱庭ゲーム”。村を発展させるために必要なお金と資源(エリクサー)を供給しながら村を運営していくのだが、単に時間が経って育つのを待つだけでなく、他の村を襲撃するとお金や資源が効率よく手に入るというのがポイントだ。自分が攻めに行けるということは、他の村から攻められることもあるということなので、いかに上手に攻めたり守ったりしながら、自分の村を大きく育てていくか、という部分に面白みがある。
スマホゲームは「もうかる」
スーパーセルは上述の通りフィンランドのゲームメーカーだが、2013年10月にソフトバンクとガンホーに買収され、現在はソフトバンクグループに名を連ねている。
ソフトバンクグループで、モバイルゲームで大成功した企業といえば、なんといってもガンホーである。「パズル&ドラゴンズ(通称「パズドラ」)」は2012年にサービス開始したゲームだが、いまだにApp StoreやGoogle Playのトップセールスランキング1位を続けている、いわば“化け物ゲーム”。実はクラッシュ・オブ・クランも日本上陸直後はそれほど伸びなかったが、パズドラとのコラボ企画(パズドラの中に、クラッシュ・オブ・クランのキャラクターが登場する)をきっかけにスマホユーザーに知られ、日本でヒットするようになったという経緯がある。
スマホ向けゲームの大ヒット作といえば、ガンホーのパズドラ(2800万ダウンロード※)のほか、コロプラの「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(2600万ダウンロード※)」、ミクシィの「モンスターストライク(700万インストール※)」といったタイトルが思い浮かぶ。スマホ向けゲームは、ゲーム自体は無料で提供していても、プレイヤー数が増え続ければ課金する人も増え、収益が増えていく。ゲーム内課金は利益率も高いため、ガンホー、コロプラ、ミクシィいずれも業績は好調だ。
→参考記事:「大逆転、なのか:ミクシィ株、連日ストップ高の理由は……」
ソフトバンク孫社長の期待
クラッシュ・オブ・クランには、ソフトバンクの孫正義社長も大きな期待を寄せている。5月7日に行われた決算説明会(参照リンク)でも、パズル&ドラゴンズの人気が不動であることと合わせて、クラッシュ・オブ・クランの人気が急上昇していることを強調していた。
クラッシュ・オブ・クランは第2のパズドラになれるか?
スマホ向けゲームで大ヒットを出すには、プレーヤー数を爆発的に増やすことが不可欠だ。そのためにはできるだけ多くの人に知ってもらうのが先決。今回スーパーセルがクラッシュ・オブ・クランのテレビCMを始めたのは、まず知名度を上げ、プレイヤー数を増やしたいという狙いがある。テレビCMが新規ユーザー獲得に効果があることは、ガンホーがパズドラで証明済みだ。
スーパーセルはクラッシュ・オブ・クランのダウンロード数を明らかにしていないが、App StoreやGoogle Playのランキングを見ていると、ここ数カ月は10位近辺に並んでいることが多い。
クラッシュ・オブ・クランは北米や欧州などすでに144カ国でランキング1位を取っている人気ゲームであり、実績は十分。日本の人気スマホゲームに比べると課金するシーンは少ないし(ガチャなどはない)、世界観やキャラクターデザインが日本でウケるゲームとやや異なるなど不安要素もあるが(逆に日本で大ヒット中しているゲームが欧米で苦戦する例も多い)、本腰を入れてPRを始めたクラッシュ・オブ・クランは大化けする……かもしれない。クラッシュ・オブ・クラン、要注目タイトルといえそうだ。
関連記事
- 大逆転、なのか:ミクシィ株、連日ストップ高の理由は……
ここ数日、ミクシィの株価がストップ高だといったら驚かれるだろうか。第4四半期の業績好調を受けて、業績予想も上方修正しているミクシィ。好調の理由は、SNSのmixiではなく……。 - 野島美保の“仮想世界”のビジネスデザイン:カードバトルのソーシャルゲームが強い理由
最近、なぜカードバトルのソーシャルゲームが多くリリースされるのか。日本のソーシャルゲームの課金率の高さを、携帯カードバトルゲームから読み解く。 - 課金経験者は約2割:スマホゲームもLINEが好調、GREEは苦戦?
現在、最もスマートフォンが遊ばれているゲームプラットフォームは「LINE」であることが分かった。MMD研究所調べ。 - ゲーム利用者は約6割:スマホのゲームアプリ人気、LINE系が「パズドラ」を猛追
スマホ利用者の約6割がスマホゲームアプリを楽しんでおり、およそ半数が知人からゲームへの招待を受けた経験があることが分かった。MMD研究所調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.