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「海外赴任」で思い浮かべるのは、どの国? どの都市?:博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」(2/2 ページ)
「昔はこうだったのに」──。これまでの常識とは違うことが常識になりつつあると感じる事象はありませんか。データで読み解くと、常識の変わり目が見えてきます。今回は「海外赴任の変わり目」を取り上げます。
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グローバル化の主戦場、今後はどうなる?
ところが先日(2014年5月23日)、在上海日本国総領事館が示した数字によって、2013年10月1日時点の上海市の長期滞在者が約4万7700人と、前年から1万人ほども減少していたことが分かりました。上海の在留邦人が減少したのは、調査開始以来初めてのこと。国際情勢や“PM2.5”による大気汚染の深刻化に関連し、企業が駐在員や家族を帰国させるケースが増えたことが要因とみられています。「中国離れが加速」とする報道もありました。
2007年、北米から東アジアへと移ったように見えた日本のグローバル化の主戦場ですが、今後の行く末はまだはっきりしません。上海以外の都市の最新集計は現時点未発表ですが、トップの上海が2位グループの北米2都市まで落ちつつあります。一方、バンコクは堅調に伸長しており、4万人の一歩手前という状況です。つまり、4万〜5万人の間に東アジア(上海)、北米(ロサンゼルス、ニューヨーク)、東南アジア(バンコク)の3地域4都市が集中しているという大混戦なのです。
ここから一歩抜け出すのはどこなのか? しばらくはこの地域三つどもえの状況が続きそうですが、また数年以内に、新たな常識の変わり目のタイミングが出てくるかもしれません。
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