あなた、燃え尽きランナーではありませんか? 活況ランニングブーム、落ち込む前の次の一手(1/2 ページ)
趣味ランナーは、7割が半年以内に燃え尽きてしまう──ランニング市場はいまだ活況だが、ニーズの細分化と成熟にともない「いかに続けてもらうか」の施策を各社が盛んに打ち出している。アシックスは、高橋尚子さんをアンバサダーに「Run you ready?」と呼ぶ取り組みを始めた。
趣味ランナーは、7割が半年以内に燃え尽きてしまう──。
2007年頃より続くランニングブーム。参加者約3万6000人(2014年)の東京マラソンを筆頭に、都内ランナーが集う皇居周辺や大型の公園では、これはマラソン大会かと疑うほど多くの人がランニングを楽しんでいる。ブームからライフスタイルとして定着したという声もあるようだ。
スポーツアパレル市場も活況だ。「2014年度板スポーツアパレル市場動向調査」(矢野経済研究所)によると、2013年の国内出荷は前年比102.5%とプラス成長を見込み、メーカー出荷金額も前年比107.5%の155億7000万円規模に達した。特にエントリー層の新規流入が活発なことから、ランニングウエアとシューズを中心とする関連商品が売り上げを伸ばしている。
ただ、趣味ランナーの約7割が半年以内にランニングをやめてしまう──こんな課題も浮き彫りになった。デサントの調査によると、約67%が6カ月間は続かず、中には1週間でやめる人も約12%いた。一方、1年以上継続できた人は23%ほどだったことが分かった。継続期間が短かった人ほど、開始当初から走る頻度が高い、つまり、がんばりすぎてしまう傾向があるという。結果として体調を崩す、ランニングギアが身体に合わなかったなどで、もういいや──と燃え尽きてしまうのだ。また、多くの人が始めたきっかけに挙げる東京マラソンは、30万人超が申し込む人気イベントに成長した。ただ、倍率10.2%の狭き門に当選した人しか参加できない。4年前(2010年)より申込者数こそ約30万人を維持するものの、その数は横ばいから下降傾向にあること、そして抽選に漏れてしまったのでもういいや──これも業界としては機会の損失につながる。
この新規参加者をいかに継続させるか、そして一度やめてしまった人を呼び戻すには。ニーズが細分化、成熟期に入ってきたランニング市場において、次の一手を打ち出すスポーツアパレルブランドの動きが目立ってきた。
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