Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?――ビッグデータ“活用”成功の秘けつはギブ&テイク:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
Googleマップでは道路の渋滞具合も調べられます。基になるデータはみなさんのスマホの移動履歴から。でも、Suicaの利用履歴販売と比べて嫌悪感が薄いのはなぜでしょう?
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
先日、東京ディズニーランドでシンデレラ城を舞台にしたプロジェクションマッピングのショー「ワンス・アポン・ア・タイム」がスタートしました。余談ですが筆者のBusiness Media 誠デビューの記事は、ディズニーのプロジェクションマッピングの記事でした。
新たに始まったこのショーのおかげで、東京ディズニーランドは午前中に入園制限がかけられてしまうほど。ショー自体は夜遅くに開催されることもあり、週末の夜10時以降、舞浜近辺は大渋滞が起きているようです。
Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?
Googleマップといえば、オンライン地図サービスの代表格ですが、スマホアプリも提供されています。ところで、このアプリを使うと交通状況も調べられることはご存じでしょうか? 例えば、カーナビのように渋滞している道路をその程度に応じて赤や黄色で表示できます。
カーナビでは、「VICS(道路交通情報通信システム)」というシステムで情報が提供されます。これは、道路交通情報通信システムセンターが、警察や道路管理者から収集した情報を基に配信しているものです。
では、Googleマップはいったいだれが情報を集めているのでしょうか? 実はこれ「みなさん」が集めているのです。正確には、みなさんの「スマホ」です。
Googleは、「Google Location History(ロケーション履歴)」という機能を使って、スマホの移動情報を収集しています(参考記事)。そして、この移動情報を基に、「道路上で動きがない→渋滞」と判断しているのです(参考記事)。
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