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Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?――ビッグデータ“活用”成功の秘けつはギブ&テイク半径300メートルのIT(2/2 ページ)

Googleマップでは道路の渋滞具合も調べられます。基になるデータはみなさんのスマホの移動履歴から。でも、Suicaの利用履歴販売と比べて嫌悪感が薄いのはなぜでしょう?

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Suica利用履歴販売とGoogleロケーション履歴提供、なぜ印象が違う?

 2013年7月、JR東日本がSuicaの移動履歴データを他社に販売しているとして、大きな話題になりました(参考記事)。JR東日本は当初、「Suicaの利用履歴は個人情報に当たらない」としていましたが、利用者からの大きな反発もあって現在ではデータの提供を見あわせています。

 Googleロケーション履歴を使ったGoogleマップへの交通情報の提供は、ビッグデータの活用事例の代表的なものです。一方、Suica利用履歴の提供もビッグデータ活用事例の1つとして挙げられます。

 「利用者の移動情報をビッグデータとして活用する」事例としては同じなのですが、印象が大きく異なるのはなぜでしょうか? ポイントは、「データ提供を拒否する手段の存在」「サービス提供社に対する信頼」、そして何より「ユーザーが得をするかどうか」ですね。

 以前、Googleロケーション履歴については「なぜ自分の移動履歴がクラウド上にあるのだろう。不安だ」と書きました。しかし、自分が提供したデータが、便利なサービスとして返ってくるのが分かると「これは良いかも」と思えます。

Googleマップ
Webブラウザ版のGoogleマップでは過去の渋滞情報も確認できます。この図は2014年6月21日(土曜日)の23時ごろの様子。東京ディズニーランドが閉園して1時間後、周辺道路に渋滞が発生しています

 日本で話題になる“ビッグデータ”活用事例は、どれも企業のマーケティングやプロモーションのためといったものが多く、データを提供する利用者自身へのリターンがまったく見えないものばかりのような気がします。

 ビッグデータが成功する秘けつは「ギブ&テイク」かもしれません。もちろん提供者のプライバシーを尊重した上で、ですが。

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