インタビュー
ミドリムシがクルマを走らせる? “夢の燃料”ができる日:仕事をしたら“軽油”ができそう(前編)(6/6 ページ)
いすゞ自動車とユーグレナが共同で、次世代の燃料開発を始めるという。ミドリムシの油を使ってクルマを動かすということだが、どのような研究を行うのだろうか。ユーグレナでミドリムシのことを研究している鈴木健吾さんに話をうかがった。
残された時間
土肥: 「ミドリムシ100%」燃料の開発はどのくらい進んでいるのでしょうか? (取材日は7月1日)
――ここで、広報のYさんが割り込んできて。
広報Yさん: 今は富士山に登ろうとしているところですね。富士山のふもとから登り始めて、すぐに登頂できるかもしれません。
鈴木: うっ……(汗)。
土肥: ちょ、その言葉は、研究者の鈴木さんにとってプレッシャーになるのでは(笑)。
広報Yさん: あ、いや、その……富士山にまだ登っていないというと、可能性がゼロみたいじゃないですか。そういう意味で……その……(シドロモドロ)。
土肥: 2018年までに、新しい燃料を開発するそうですね。残された時間は、長いですか? 短いですか?
鈴木: 研究する時間としては、十分だと思っています。ただ、同時に実用化を見据えて、なるべく安く大量に作る方法を開発しなければいけません。
土肥: 「1リットル=500円」では、使ってくれませんよね。ガソリン価格に近くなって、ようやく「ミドリムシは日本で作っているらしいので、ちょっと使ってみようか」となるのでは。多くの人に使ってもらうには、今の軽油価格に近づかなければ難しいでしょうね。
鈴木: ガンバリマス。
土肥: ミドリムシの油から作られた軽油が普及すると、どんな世の中になるのでしょうか。未来の話も聞かせていただけますか?
鈴木: はい。
(つづく)
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