オレ、定年まで働けるの? 中間管理職がハマる意外な落とし穴:サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(3/4 ページ)
「自分が定年まで働いている姿が想像できません」といった不安を感じていませんか? ロールモデルが多様化しているので、中間管理職の間でこうした落とし穴にハマる人が多いようですが、ではどうすればいいのでしょうか。答えは、簡単。それは……。
現状維持ではどうしてダメなのか。その漠然とした気持ち
さらに、現状維持、つまり、いままでの仕事の延長線上を肯定し切れないという不安が、40歳代後半の管理職を襲います。かつては、ある程度のポジションに就いていたなら、将来もある程度約束されていました。よい意味で「先が見えていた」のです。しかし、少し先のことですら、約束してくれない世の中です。現状を肯定せよと無邪気に話をしても、それは無理な相談。
先に挙げたようにキャリアが多様化し、それに伴って見本となるべき生き方や働き方が増えてしまったがゆえに、現状維持という選択肢は消極的なイメージを生んでしまい、それではダメなのかもしれない、というある意味根拠のない不安の原因になってしまう。自由が不自由を作り出している、典型的なケースなのかもしれません。
「いまの場所で先のことが保障されないとなると、別の場所に移ることも視野に入れなければならない。けれども、現状ではそれなりの評価を受けていたとしても、よそで通用するのか、そもそもそれも分からない。結果的に、このままでよいのかと、モヤモヤした気持ちが堂々巡りしてしまうのです」
自分の市場価値を気にする、その前にやるべきことはシンプル
こういう話をすると、多くの人が「自分の市場価値みたいなものを、一度調べたほうがよいのでしょうか?」と、不安そうな顔をして私に質問をしてきます。当然、プロに(=キャリアアドバイスをしてくれる人たちは、たくさんいます)聞いて、自分が人材市場に出ればどの程度の価値があるのか、尋ねてみるのも一計でしょう。シビアな評価が出るか、意外な高値がつくのか、それは分かりませんが、漠然とした不安を解消する手としてはオススメです。
ですが、それ以上にもっとシンプルな方法があります。それは「いまの目の前の仕事に全力で取り組み、高い成果を出す努力をすること」です。当たり前のことを書くなと怒られそうですが、これがベストな方法だと、私は考えます。
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