家は持つべきか、持たざるべきか――これでも、あなたは家が欲しいですか?:マネーの達人(3/4 ページ)
結婚して子どもを授かったら、家の一軒も持つものと言われてきました。しかし、今の社会にこのような過去の常識は通用するでしょうか? 住むのは、賃貸か持ち家か――具体的に諸費用を計算して考えてみましょう。
不動産業者の悪魔の囁き
どこの不動産業者でも声高らかに言います。
「今、家賃にそんなに払っているのなら、ローンで自分の家が買えますよ」
「家賃は払うだけですが、ローンを組めば、その家は自分のものになりますよ!」
その言葉に、そのまま乗せられてはいけません。しかし、私のところに相談に来る人の中には、その言葉をうのみにしている人が少なくありません。
第一、この考え方は、「ライフ」というそれぞれの人間にとって大切なものを大きな視野で見ていません。今月、来月という感じで、目先のことしか見えていないのです。
これから子どもを――と考えている夫婦が家を購入した場合を考えてみましょう。子どもを1人育てるには、教育資金だけでも1000万円程度かかると言われていますが、もっと慎重に考えてみましょう。成長して食べ盛りの中学生や高校生になれば、夫婦2人のほかに、さらに食費がかかるようになります。
一説によると、子供1人を育てるのに教育資金や養育費を足して、およそ3000万円かかっていると言われています。それを聞いて「住宅ローンを払っていける」と自信を持って言えますか?
子ども1人あたりにかかる子育て関係費用
子ども1人あたりの年間子育て費用(食費、衣服費、生活用品費、教育費など)
未就園児 約85万円 ×3年=255万円
保育所・幼稚園児 約120万円×3年=360万円
小学生 約120万円×6年=780万円
中学生 約155万円×3年=465万円
→子どもが中学生になるまでの費用=1860万円
(内閣府『インターネットによる子育て費用に関する調査報告書 平成21年度(PDF)』より)
高校から大学までの教育費
子ども1人当たり 1031万円
(日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査結果 平成24年度(PDF)』より)
【結果】
大学までの教育費、衣食住の費用も含めると、およそ子ども1人育てるのに3000万円ほどかかることになる。
関連記事
- 賃貸派と持ち家派、年収が多いのはどっち?
賃貸派と持ち家派によって、年収に違いはあるのだろうか。首都圏に住む、20〜40代の既婚者に聞いた。アットホーム調べ。 - 家賃並みで買えるマンションってあるの?
「今の家賃並みの支払いでマンションが買えます!」――。こうした広告を目にしたことがある人も多いのでは。実際、家賃並みの支払いでマンションは買えるのだろうか。答えは……。 - 賃貸 VS. 購入はどちらが合理的?――1年間の支出で比べてみる
1年間の支出で比べると、毎月一定額の家賃を支払う「賃貸」に対して、「購入」では月によって支払う金額に大きな差が出る傾向があります。いきなりの支出増にあわてないよう、あらかじめ出費額を把握して、準備しておきましょう。 - 「幽霊なんて出ませんよ」――格安家賃の“事故物件”を探してみた
前の住人が部屋で亡くなったため、格安で貸し出される“事故物件”。安いとはいえ生理的な拒否感から避ける人が多いと思いきや、家賃の高い東京では事故物件は人気があるようで、中には10倍を超える抽選をくぐり抜けなければ借りられない物件もあるようだ。
関連リンク
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.