家は持つべきか、持たざるべきか――これでも、あなたは家が欲しいですか?:マネーの達人(2/4 ページ)
結婚して子どもを授かったら、家の一軒も持つものと言われてきました。しかし、今の社会にこのような過去の常識は通用するでしょうか? 住むのは、賃貸か持ち家か――具体的に諸費用を計算して考えてみましょう。
もう一軒家が買えてしまう
次に、「それでもどうしても自分の家が欲しい!」と考えたとき、「ローンを組んだらどうなるのか?」ということを、現実から目を背けずに、しっかり見つめて欲しいと思います。
借入3000万円、返済期間30年の場合
ローン金利2%=支払い総額3991万8769円(諸費用別)
上記の例のように、住宅ローンで3000万円借りたら、金利も含めた総額はおよそ4000万円ほど返済することになります。つまり、1000万円多く支払うということになります。
もちろん、持ち家になればそれ相当の固定資産税も毎年払わなくてはなりません。また、家はローンを支払っている30年の間におそらく1〜2回、水回りのリフォームが必要になります。キッチンやトイレ、風呂も、30年間そのまま使えるわけではありません。一軒家であれば、キッチンの床や外壁にも問題が出てきます。
とあるリフォーム・アドバイザーに聞いたところ、最近はそういったリフォームに1200万円くらいかける人が多いということです。
ネットの広告などで、いろんな部分のリフォーム施工が80万円とか150万円とか出ているのを見かけますが、最低の値段でやる人はまずいないらしいです。広告にある安いものを実際に組み合わせれば500〜600万ですむのかもしれませんが、いざとなると、それでは終わらないのが現状のようです。
1200万円――これは、ローン支払いの金利分と同じくらいの金額です。ローン金利と固定資産税、それにリフォーム費用などなど、全部足すと「もう一軒家が買える!」なんてことになりませんか?
私は、家を買ったという相談者には、「では、月々2〜3万円の貯蓄はしていかないといけませんね」とアドバイスします。が、多くの相談者は「えっ!?」と驚き、理由を聞かれます。それは家のリフォーム費用で、いずれ必要になるからです。つまり、買ったそばからリフォーム費用を貯めていかないと、間に合わなくなってしまうからなのです。
一戸建てでなくマンションの場合でも同じことが言えます。毎月、強制的に「修繕積立金」を払わなくてはいけませんし、大規模リフォーム時に積み立てた費用が足らなければ、追加金を払わなくてはならないときもあります。
驚くような厳しい現実ですが、ローンで家を持つということはこういうことなのです。今、まさにローンで家を買おうとしている人は、そういうことまで考えていますか?
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