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厚労省と農水省が、「炭水化物」をススメている理由:窪田順生の時事日想(3/4 ページ)
厚労省が定める「食事バランスガイド」をみると、「ごはん」や「パン」といった炭水化物をたくさん食べたほうがいい、と記している。科学的根拠があるわけでもないのに、なぜ炭水化物をススメてくるのだろうか。
供給者側の都合
「一揆」や「米騒動」の時代から、国家にとって「農家」というのは気を使わなくてはいけない存在だった。それを象徴するのが「主食」という言葉だ。食糧難だとかでタロイモやジャガイモを主食にせねばいけない国なら分かるが、食に関して国民にさまざまな選択肢がある先進国で「主食」という概念はあまりない。
そんな言葉がなぜ日本にはあるのか。子どものような素朴な疑問に対して、農林水産省はこう答えている。
日本人がお米を主食としているのは、
- 初夏に梅雨があるなど雨が多く、また、夏には気温が熱帯と変わらないくらいに高くなる、日本の気候が稲の栽培に適していたこと
- お米は長い間保存することができるので、収穫が少ないときも保存したものが食べられること
- お米は日本人の味の好みによくあった食べ物であること
などがおもな理由です。(農林水産省 消費者の部屋 こどもそうだんしつ)
最後のはさておき、要するに供給者側の都合という感じがしなくもない。我々は1日に何度も米を食う。ただ、それは「おいしいから」「体にいいから」という自分たちのためではない。心のどこかに「日本人はやっぱり白いごはんだよな」という刷り込みがある。それは日本政府が戦後一貫としてやってきた「米は主食キャンペーン」の成果ではないのか。
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