おいしいスイーツには「4:2の法則」がある――それって何?:仕事をしたら“スイーツ”の味が分かった(後編)(2/5 ページ)
コンビニ各社に聞いたところ、スイーツの中でシュークリームとエクレアがよく売れているという。昔からあるこの2つの定番商品は、なぜ人気があるのか。味を分析することができる機械を使って測定したところ……。
鈴木: 甘味が「4」で、他の味が「2」くらいだと、おいしく感じられるのではないか、と。例えば、セブンのシュークリームは、甘味が「3.71」であるのに対し、旨味が「2.02」、酸味が「1.87」。ローソンのは、甘味が「3.58」と低いので、他の味が「2」だとバランスが崩れてしまう。なので、旨味は「1.88」と低く抑えられていますね。
土肥: ファミマのシュークリームは、甘味が「3.95」に対して、旨味が「2.30」とやや高め。でも酸味が「1.34」とやや低くすることで、バランスをうまくとっているということですか?
鈴木: ですね。コンビニ3社のシュークリームとエクレアの味を分析すると、バランスがうまくとれていることが分かりました。すると、人はその味に飽きないんですよ。先ほども言いましたように、単純な味だとすぐに飽きてしまう。飽きないためには複雑な味にしなければいけません。そのためには、スイーツでいえば甘味以外に複数の味が含まれていなければいけません。
セブンのエクレアをみると、甘味が「4.23」と高い数値ですが、苦味が「1.66」とやや高め。この数値をみるだけで、作り手側の工夫の跡がうかがえます。
土肥: 人がおいしく感じるには「4:2の法則」があるというわけですが、他のスイーツでも同じような傾向があるのでしょうか?
鈴木: ありますね。例えば、東京の広尾にある「Mai's(マイズ)」というお店では、カップケーキを扱っています。Mai'sが販売している4種類のカップケーキの味を分析したところ、やはり甘味が強かった。しかし甘味とそれ以外の味は、ほぼ「4:2」だったんですよ。
バニラは「甘味:旨味=4:2」、ストロベリーは「甘味:酸味=4:2」、カプチーノは「甘味:苦味:旨味=4:2:2」、ミントは「甘味:苦味=4:2」でした。これは個人的な意見ですが、特にカプチーノがおいしかった。カプチーノは「甘味:苦味:旨味=4:2:2」なので、他のモノよりも味が複雑。味の変化を楽しめたのかもしれません。
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